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UPDATE|2022/04/17

諦めずに掴んだアイドルへの道“遅れてきた4期生”乃木坂46 佐藤璃果がステージで覚醒した日

『プラチナムフラッシュ』Vol.16(光文社)



そんな彼女にとって転機となったのが、アンダーライブ2021(10月26日~28日)だった。璃果は4期生で歌った『不等号』のセンターに立つと、普段のふわふわしたイメージを覆すような情熱が迸るパフォーマンスを見せ、アンダーライブらしい持たざる者の渇望を表現した。

「アンダーライブで思ったのは、歌やダンスはもちろん、『表現に力を入れたい』ということ。前に進みたい気持ちはずっとあるんです。足りないところはたくさんあるけど、『ライブを観て好きになりました』という言葉が励みになってます。どんな位置でも自分が納得できるくらい頑張れば、誰かが見つけてくれるんだって」(『EX大衆』2022年1月号)

オリジナルセンターである中元日芽香の著作『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』を読んで、『不等号』の時期に抱えていた葛藤を知っていた璃果は、曲の重みを感じながらパフォーマンスしたという。会うことができなかった先輩の魂を受け継ごうとしていたのだ。

今年2月21日~23日にYouTubeで配信された『乃木坂46時間TV』の大運動会でも、璃果は観ている者の心を動かした。「華のステージ」で「チームに迷惑をかけてしまった」と自責の念に駆られた璃果は、カメラの前で涙を流してしまう。

その後に行われた全員リレーで、第2走者として登場した璃果は感情が伝わる爆走を見せて他のランナーを引き離すと、実況を務めていた高橋大輔アナウンサーは「先ほどの涙を力に変えて!」と叫んだ。佐藤はチームの優勝に貢献した。

前回の『乃木坂46時間TV』(2020年6月19日~21日)は、璃果にとって先輩と初めて絡む仕事だった。番組内で高山一実と2ショットトークをすることになった璃果は「強く優しくなりたい」と話した。自分が憧れていた乃木坂46の先輩たちのように、「誰かに勇気を与えることができる存在になりたい」という想いからの発言だった。

過去をリスペクトしながら現在を更新しようと愚直に頑張る佐藤璃果の躍進が、いつか乃木坂46を変える日が来るのかもしれない。その時こそ、彼女が誰かに勇気を与える存在になるはずだ。

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