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UPDATE|2022/03/21

「悪党ども力を合わせよう」不良ファッション界のトップランナーがウクライナ人道支援Tシャツを発売した真意

オンライン取材にこたえる石川智之氏


「Tシャツを予約した方から『素敵な取り組みですね』といった温かいメッセージが寄せられることもあります。でも、俺は『素敵なのはあなたのほうです』と心の中でつぶやいている。自分は赤十字に届けるだけの単なる集金係ですから」

 極悪ファッションを展開するバースジャパンが支援事業に取り組むことに、いぶかしがる者もいる。「チンピラ風情が何カッコつけているんだよ」というわけだ。しかし、石川社長は「やらない善より、やる偽善」を今後も徹底していくという。

「俺も今まで綺麗なことばかりやってきたわけじゃないというか、叩けば埃しか出ない身ですからね。見た目だってこんなだし、社会的な信用度なんてハナからゼロ。だから『支援とか言っても、石川がピンハネしてるんじゃねぇの?』とか『そもそも本当に赤十字に回しているのかよ?』とかいう声はあるんです。まぁバースジャパンが信頼できないという人が一定数いるのは当然でしょう。でも、だったらもう赤十字に直接届けるなり、赤十字じゃなくてもユニセフとか信用できるNPO団体とかに寄付したらいいじゃないですか。俺はそれで全然構わない。とにかく何か自分なりにできることをやってほしいんです」

 綺麗事かもしれない。でも、それを愚直に実践する姿勢に嘘はない。石川社長が多くの人から慕われているのは、やはりそれだけの確固たる理由があるのだ。

「『可哀想だよね』『気の毒だよね』って口で言うのは誰でもできるんです。でもその30秒後に他の芸能ニュースとかを読んでいるようじゃ、無責任な傍観者と言われても仕方ないですよ。はっきり言って、日本は決して安全な国ではないですから。近年の国際情勢を考えたら、対岸の火事ではないことは明らか。たしかに自分1人の力でできることは小さいかもしれません。でも、小さくても何かアクションを起こすことが大事。まずは個人の意識を変えていく必要がある。そうしないと、この世界は変わっていかないんです」

 奇抜な風貌に似合わず……と言ったら失礼かもしれないが、石川社長の真摯な想いと実直な人柄が波紋を呼んでいるのは事実。アウトロー経営者ならではのバイタリティ溢れるアプローチで、ウクライナ支援の輪はますます広がっていきそうだ。

▼バースジャパン・チャリティTシャツページ
https://item.rakuten.co.jp/auc-birthjapan/bj-005/

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AUTHOR

小野田 衛


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