──概念としての高校が?
川北 いや、建物そのものが。
──なるほど。学校ではどう過ごしていましたか?
川北 壁抜けの癖が抜けなかったので、友達もいなかったし、休み時間はひとりで校舎に体当たりしてました。その高校は最近では珍しく壁抜けできなくて。
──珍しいんですか?
川北 最近の学校はどこも壁抜けできると思います。その高校では壁抜けしようとすると、周りの生徒から怖がられました。ある日、体当たりしている僕を止めようと、壁と僕の間に入ってきた生徒がいて。僕はその生徒を抜けてしまい、今も重なっている状態なんです。僕のほうがメインで生活しているので、その人には申し訳ないと思ってます。
──学生時代に影響を受けたテレビ番組ってありますか?
川北 金曜ロードショーが好きでしたね。
──毎週違う映画をやっていますが、特にお気に入りの作品は?
川北 シルクハットを被ったおじさんが映写機を回しているシーンは、今でも繰り返し観てます。
──映写機を回しているシーンが、今の真空ジェシカにつながっているんですね。
川北 漫才中によく映写機を回す動きをしています。
──芸人を志すきっかけを教えてください。
川北 僕が芸人になった頃って、職業が限られていたんです。狩猟、稲作、芸人くらい。「だったら芸人かなぁ」という消去法で選びました。