――第4話には天海祐希さんが登場されます。松尾 天海さんとは20年以上前に『パンドラの鐘』(1999年)っていう野田(秀樹)さんの舞台でご一緒していたんですけど、数年前に映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(2017年)で久しぶりにご一緒して。「天海さんって1シーンの役でも出るんですね」って言ったら、「出ますよそんなの、松尾さんの作品でも使ってくださいよ」っておっしゃったのを根強く覚えてまして。「絶対ですよ!」って念押しして(笑)。そうしたら、すごいお忙しい中だったのに出てくださいました。
――嬉々として演じていらっしゃるのが画面からも伝わってきました。松尾 いろんなパターンのかっこいい天海さんを見ることができますよね。“かっこよくだらない”っていう。天海さんはコメディに対する姿勢がちゃんとしてるっていうか、スタイルがあるなって思うし、でも逆に、それを崩すことも厭わない、なんでも言うこと聞きますよっていう感じで現場に来てくれるんです。それにちょっと現場が停滞してると、みんなに檄を飛ばしてくれたりして。僕より座長感がありました。
――『スニーキー狩り』というコントでの天海さんの軍服姿にはキュンとしました。松尾 あれはシーズン2の締めを飾るにふさわしい、いろんな要素を入れ込んだコントになりました。『進撃の巨人』ファンにもウケるんじゃないかなって(笑)。見たことはないんですけど。
――今回、松尾さんご自身もいろいろなキャラクターを演じられていましたが、お気に入りのキャラクターはいますか?松尾 『スニーキー狩り』で演じたバルマンは、声優の声で喋る実写の俳優っていう新しいジャンルを切り開きましたね(笑)。あと、ショーンKさんと高倉健さんを意識したキャラクターもやったんですけど、それもちょっと道を切り開いた感がありました。還暦間近になって、開けたことのないドアが次々と開いていくっていう不思議な現象が起こってます。
――松尾さんにとっても新たな挑戦となった今作ですが、改めて見どころを教えてください。松尾 コントごとにオリジナリティのある世界観が作れていて、その世界観を完璧に理解した女優さんが見事に演じてくれているところですね。しかも、それが1本にひとつじゃなくて、1本の中でいくつも見ることができる。そこがやっぱり、他にはないコント番組だなって。WOWOWっていう枠にとらわれず、英訳して世界の人に見てもらいたいです(笑)。そうしたら、天海さんにハリウッドから声がかかるんじゃないかなって。天海さんが日本のシガニー・ウィーバーと言われる日も近いですよ(笑)。
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