■『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系/2016年)
胸キュン:★
感動:★★★★
オンナの怖さ:★★★★★
正直、この作品は不倫ドラマに分類していいのか悩むところですね。じゃあどういうドラマかというと、妻の両親の遺産を巡る誘拐サスペンス。そこに不倫要素が絡んでくる流れになっています。
あらすじ的には妻と夫がいて、夫が浮気する。しかも夫は愛人と共謀して、妻を毒殺しようとする。浮気されたうえに殺されかけた妻は逆上して、復讐に燃えるわけですよ。ここからの妻の反撃と報復の手口がヤバい。徹底して相手を地獄まで引きずり落とそうという怨念に圧倒されるんですよね。
これは学園系の恋愛ドラマが好きだった私に、「恋愛感情だけでは結婚なんて成立しない」ということを教えてくれた作品。いろんな夫婦関係が世の中にはあるんだなと思い知りました。それからお金が絡むと人は豹変するということも教えてくれた気がします。そして最終話では信じられないことが起こるんですけど……。こればかりはネタバレになるので、実際に観てくださいとしか言いようがないですね。
余談かもしれませんが『あなたのことはそれほど』や『ギルティ』と同じく、この『僕のヤバイ妻』もワインが重要なキーワードとなっています。ワインが出てきたら何かが起こるというのは、もはや不倫ドラマのお約束かも(※前編記事、参照)。
■『奪い愛、冬』(テレビ朝日系/2017年)
胸キュン:★★★★
感動:★★
オンナの怖さ:★★★★★
スピンオフ作品も作られている人気シリーズです。まず主人公の女性・光(倉科カナ)には、同じデザイン会社に勤める婚約者・康太(三浦翔平)がいるんですよ。ところが光は、かつて死ぬほど愛した元恋人の信(大谷亮平)と出会ってしまうんですね。すでに婚約者がいるから愛してはいけないと頭ではわかっていても、どうしても信に惹かれてしまう光。その葛藤もたまらないんですけど、何よりもすさまじいのが信の奥さん・蘭(水野美紀)の執念なんです。半狂乱で壊れていく水野さんの演技は文句なしに最高!
そもそも信が光と別れたのには理由がありまして……。信が暴漢にナイフで襲撃されたところ、蘭が身代わりになって刺されたという事件があったんです。それで「責任を取って!」ということになり、蘭と結婚したんですよね。ところが実はこれも蘭の自作自演。そればかりか光は周囲から嫌われまくるんですけど、これも結局は蘭によって仕組まれた工作だったんです。それでも自分の意思を曲げずに戦おうとする光の姿を観て、私はカッコいいなと思いました。すごく勇気をもらえましたし。
個人的には、光、康太、信、蘭の4人で旅行したシーンが最高に盛り上がりましたね。心の声がナレーションみたいにして挿入されるんですけど、実際の行動とは真逆のドロドロさ加減がめちゃくちゃ面白い! 人間って本当に怖いなって痛感します。