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UPDATE|2022/02/04

大食い・ロシアン佐藤が語る大会引退宣言の理由「今後は“食べることの幸せ”をもっと広めたい」

ロシアン佐藤 撮影・西邑泰和

『元祖!大食い王決定戦』(テレビ東京系)で2008年に衝撃のデビューを果たしたロシアン佐藤。当時システムエンジニアとして働きながら、大食いタレントとしても大活躍し、「いつも美味しそうに食べる」と、多くの大食いファンを魅了してきた。2021年7月には、「競技としての大食い」の引退を宣言。現在は食への恩返しをテーマに新たなプロジェクトを設立し、YouTube配信を中心に活躍している彼女に、改めて大食いに目覚めたきっかけや、これからの活動について話を聞いた。(前中後編の後編)

【前編はこちら】大食い・ロシアン佐藤が“人前で食べられなかった”思春期を語る「ギャル曽根ちゃんの存在は革命」

【中編はこちら】大食いレジェンド・ロシアン佐藤が語るライバル「一番衝撃を受けたのは菅原初代さん」

【写真】大食いレジェンド・ロシアン佐藤

──佐藤さんは、昨年7月に大食い大会の選手引退を宣言しました。

佐藤 もともと私は「食べることが楽しい」というところからスタートした人間なんです。だけど一方で視聴者の方からは、大会で優勝する「競技者としてのロシアン佐藤」を求められてもいる。「プロとしてのパフォーマンスを見せなくてはいけない」という覚悟で戦ってきて、そのピークを迎えたのが2016年のアメリカ遠征だったと思うんですね(『国別対抗!大食い世界一決定戦』)。

──あれは最高の死闘でした! 心の底から感動しましたから。

佐藤 ありがとうございます。実際、あの放送を観た方から「泣きました!」とか言われることも多いんですけど、結局、あそこが私の頂上だったんだと今となっては気づかされるんですよね。あのときの日本代表チームは菅原さん、MAX鈴木さん、もえのあずきさん、そして私。3人は何度も優勝したことがあるような超有名選手で、片や私だけが優勝したことがない。そしてそんな私がなぜかリーダーになり、しんがりを任されるという……。しかも対戦相手のパトリックは本物のフードファイターで、私が勝つなんてジャイアントキリングと言い切っていいくらいの歴然とした差があったんです。

──日の丸を背負って戦うプレッシャーは尋常じゃなかった?

佐藤 ヤバかったですね。楽しみつつ味わって食べるなんてまったくできなかったし、それこそ小林さんじゃないけど感情が「無」になるんです。いつも撮ってくださっているカメラマンの方からも「あの日のロシアンは機械みたいだった」と言われましたから。

AUTHOR

小野田 衛


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