――結成当時、ネタのことでぶつかり合うことはありましたか?
長谷川 多少はあったと思います。僕もこうしたいみたいなことは言いましたし、隆も望んでいるものとのズレがあったと思うし。でも大きくぶつかり合うことはなかったですね。
――二人ともいい年齢ですからね。
長谷川 それは大きいと思います。隆は2回解散しているし、僕も同じ相方ではありますが実質2回解散をして、お互いにいい年齢。そういう意味で、相手を受け入れる幅が大きかったと思います。
――お笑いの方向性で違和感を抱くこともなかったんですか?
長谷川 そこまで方向性が違うなというのはなかったです。ただ、前のコンビで隆の役割はボケだったから、錦鯉で初めてツッコミをやって大変さはあったと思うんです。でも、もともと隆の気質はツッコミっぽいんですよ。それに結成当時、隆がよく言ってたのは、「ボケとかツッコミとかって、ちゃんと決めなくてもいいんだ」と。だから隆もツッコミと言いながらも、ボケの要素があるというか、それで笑いを取ることもあって、「型にハマらないように」みたいなことも言ってましたね。
――ネタ作りのイニシアティブはどうなんですか?
長谷川 お互いに前のコンビでネタ作りを担当していたので、それぞれ紙に書いて台本を作って、それを見せ合って、こうしたらいいんじゃないみたいな流れで作っていました。最初はABって役割を台本に書いていたんですけど、だんだん箇条書きになっていって、そのうち箇条書きもなくなって、言葉のやり取りみたいに自然と変化していきました。最近は二人で会って、こういう設定はどうって提案したら、じゃあこうしようって感じでお互いに意見を出し合い、ゼロから話を作るスタイルになりました。
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