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UPDATE|2021/12/19

祝M-1優勝・錦鯉 渡辺隆が語る相方・長谷川雅紀という笑いの天才「バカで同じ話ばかりしても面白い」

錦鯉・渡辺隆 撮影/松山勇樹

M-1グランプリ2021、涙の優勝を飾った錦鯉。その優勝を祝して先月収録した2人のインタビューを改めてお届けする。自意識過剰だった若手時代からまったく売れなかった暗黒時代、結成秘話までをたっぷり語った濃厚インタビュー。最近では自叙伝『くすぶり中年の逆襲』』(新潮社)も発売。「コンビを組めてよかった」と語った渡辺隆のインタビュー(前中後編の中編)。

【写真】40代後半でブレイクしたくすぶり中年・錦鯉の撮り下ろしカット

(長谷川)雅紀さんって今年で50歳になるんです。自分が率直に思うのは、よく今まで無事に生きることができたなということ。それくらいズバ抜けたバカなんですよ。「ここまでのバカにもかかわらず、なぜ50歳まで生き残っているのか?」と突き詰めて考えてみると、やっぱりあの人は周りの人に助けられまくっているという事実が大きくて。洋服、テレビ、冷蔵庫、洗濯機……すべての自分の所持品が他人からもらったものですからね。

でも、それって一種の才能だと思うんです。「人から無条件で好かれる」という何物にも代えがたい才能。困っていると、おもわず手を差し伸べたくなるような人。

そんな雅紀さんとコンビを組んだ理由は、わりとはっきりしていましてね。僕自身に演者としての能力が一切ないからです。舞台に立って何かを表現するという行為がまったく向いていないんでしょう。根本的に華がないし、人前に立つのが緊張するし。何十年もやっているのに、いまだに言いたいことも言えなくなるくらいなんです。

そんな自分と正反対なのが雅紀さんで、あの人は舞台に立つだけで勝手に笑いが寄せられるタイプ。だって舞台の上と下でまったく変わらないんだもん。それに表情が天才的。驚いたときは本当に驚いた表情をするし、悲しいときは本当に悲しい表情をする。それに場をわきまえず唐突に笑いだしたりもする。とにかく感情をストレートに表現するから、見ている方にめちゃくちゃ伝わるんです。敵わないですよ。

AUTHOR

小野田 衛


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