――若手時代からですか?
長谷川 そうです。もともと僕は札幌で活動をしていて、タカアンドトシがほぼ同期なんですけど、タカトシがテレビにバンバン出るようになって、「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)や「爆笑オンエアバトル」(NHK)で結果を出していたときも、素直に「すごいな」「おめでとう」という気持ちで、そこで「なにくそ!」って思わないところが、自分でもダメだなと思います。そういう野心がなかったのが、今のような状況を引き延ばした結果でもあるのかなと。
――そういう穏やかな性格だからこそ、後輩も接しやすい側面もあるのではないでしょうか。
長谷川 それはありますね。ただ悪い意味で言えば、舐められたり、いじられたりするところもありました。
――先輩だけじゃなく後輩にもいじられて、おいしい部分もありますよね。
長谷川 そうですそうです。僕は全然平気なタイプなので、それで笑いになったほうがやりやすいです。
――隆さんからの誘いで錦鯉を結成したそうですが、すぐに長谷川さんは答えを出したんですか?
長谷川 即答でした。いきなり居酒屋に呼び出されて、それまで数人で遊びに行ったことはあったんですけど、二人きりで会うのは初めてで。電話がきた時点で、隆も解散していますから、そういう話かなと思ったんです。それで居酒屋に行ったら案の定、「コンビを組まないか」という話で、普通だったら「考えさせてくれ」とか「どういう方向性で行こうと思っているの?」とかなるじゃないですか。でも僕は、すぐに面白そうだなと思ったんです。
――何か確信があったんですか?
長谷川 二人が対照的だからです。僕はよくしゃべるし明るい性格なんですけど、向こうはドンと構えておしゃべりではない。それでいいねってことで軽いノリで決めちゃったんです。そのまま朝まで居酒屋にいましたけど、「天下を獲ろう」とか「コンテストで優勝しよう」とか、お笑いの熱い話は一切せずに、ひたすら二人とも大好きな『北の国から』の話で盛り上がっていました
――実際に組んで、すぐに結果は出せたんですか?
長谷川 すぐにライブに出ましたけど、最初は反応もなかったし、ちょうど「M-1グランプリ」がやっていなかった時期だったので、「THE MANZAI(フジテレビ系)」に出ていたんですけど、1回戦や2回戦で落ちていました。ただ事務所ライブでは面白いねと言われていたんですよ。とは言っても、知っている奴同士が二人揃って何かを始めたから、ご祝儀で面白がってくれているみたいなレベルだったと思うんですけど。