タイムリープを何回も繰り返す、というストーリーを考えたら、本当は映像作品のほうがマッチする題材だ。ただ、今のリアルな世の中の状況とリンクしている、ということを考えた場合、たしかに生で演じることに意味がある。ただ、一部の視聴者が「これ、編集したものを流しているんだよね?」と勘違いしてしまうほど、完成度は高かった。
「何度か見ていただいた方ならわかると思うんですけど、すべての回がちょっとだけ違うんですよ。一度、演技をしているのか、リアルに会話しているのか、みんなでわからなくなっちゃったときがあって、そのときは上演時間がちょうど1時間ぐらい長くなっちゃいました(苦笑)」(田島)
ただ、その仕組みを知れば知るほど、心配になってくることがある。
万が一、回線トラブルなどがあり、演者が画面から消えてしまったら、どうなってしまうのだろうか?
「実はあったんですよ。ゲネプロのとき、私のPCの回線が何度も落ちてしまって、本当はいなくちゃいけないシーンに私がいない、という状況に繰り返しなっちゃったんです。そのときは共演者の方がうまくつないでくれて『あっ、マイから電話だ』とか言って、私のセリフがなくてもストーリーが進むようにしてくれたんです。本番でそんなことになったら大変だったと思うんですけど、ゲネプロでトラブルがあった直後からスタッフさんが動いてくださって、公演中にはそういうトラブルはまったく起こりませんでした。そういったテクニカル面もすごかったです」(田島)
後編へ続く