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UPDATE|2024/03/06

武藤彩未、活動休止を経て見つけた“歌い続ける理由”「歌がなくなったらもう私の人生じゃない」

武藤彩未 撮影/荻原大志、ヘアメイク/Ken Nagasaka



──写真集を見たら、第2の父と母も「こんなに大きくなって……」と感無量かもしれませんね。

武藤 いや、私だって気づかないかもしれない。というのも当時、向こうで15キロくらい太っちゃったんですよ(笑)。

──それはパンを食べ過ぎたせいで?

武藤 パンの影響もあるし、まだ10代だったせいもあるし、そもそもニュージーランドって1食の量が日本の何倍もあるんですよね。当然、カロリーも高いです。フィッシュ&チップスとかの揚げ物が多くて。最初はとんでもなくヘビーに感じたけど、恐ろしいことにだんだんそれにも慣れてくるんですよ。気づいたときには、もうすでに手遅れでした(笑)。

──帰国後、もう一度歌おうと考えたのはどうしてですか?

武藤 向こうに渡った時点では、芸能の世界に戻るかどうかも決めていませんでしたね。だから事務所も辞めて、全部リセットしたんです。だけどやっぱり、ふとした瞬間に自然と歌っているんです。パンを焼きながらも歌っていたし、ホームステイ先の部屋でも歌っていました。そうすると、ドアの向こうで聴いていたマザーが「なんて素晴らしい声を持っているの、あなたは!」とか褒めてくれたりして……。

──そんなことがあったんですね。

武藤 なんだか不思議でした。歌を手放したはずなのに、結局は自分で歌っちゃっているわけですから。それで、やっぱり私には歌しかないんだなと改めて思いましたね。単純に歌うことが一番楽しいんですよ。歌がなくなったら、もう私の人生じゃないという感覚で。

──とはいえ、事務所を辞めたわけですよね。実際に活動再開しようにも、様々な手続きや段取りがあると思うのですが……。

武藤 戻ってきて最初の1年くらいは、実質的にフリーとして全部1人でやっていました。ライブ会場を押さえるのも自分で電話していたし、お金のやりとりとかも自分で計算して。バンドを組もうにも誰かが用意してくれるわけじゃないから、楽器できる子がいないか知り合いに相談していましたし。そんなことは昔の私では絶対無理でしたけど、留学で身につけた行動力が役立ったんだと思います。

AUTHOR

小野田 衛

CREDIT

撮影/荻原大志、ヘアメイク/Ken Nagasaka


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