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UPDATE|2024/02/22

5期生は「セラミュ」で舞台初挑戦、メンバーの飛躍の礎にもなった乃木坂46と演劇の濃密な関係

『乃木坂46 5期生写真集 あの頃、乃木坂にいた』表紙(マガジンハウス)

乃木坂46 5期生による舞台「美少女戦士セーラームーン」が4月に上演されることが決まった。加入3年目の5期生が初めて経験する本格的な舞台演劇になるが、グループの先輩も舞台経験がキャリアにいい影響になってきた。その主なものを振り返ってみたい。

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1992年から、キャストを変えて何度も上演されてきた「セラミュ」こと「美少女戦士セーラームーン」のミュージカル版を初めて乃木坂46メンバーが演じたのが5年前の2018年。5人のセーラー戦士を1期生から3期生のダブルキャストで演じ、セーラームーン(月野うさぎ)は山下美月と井上小百合で演じた。ほかに現役メンバーでは梅澤美波がセーラージュピター(木野まこと)、伊藤理々杏がセーラーマーキュリー(水野亜美)役で出演している。

翌年にはキャストを一新し、セーラームーン:久保史緒里、セーラーマーキュリー:向井葉月、セーラーマーズ(火野レイ):早川聖来、セータージュピター:伊藤純奈、セーラーヴィーナス(愛野美奈子)田村真佑で上演された。

ミュージカルゆえに歌やダンスも生で演じ、シリーズにお決まりの変身シーンや名乗りも格好よく決める舞台で、アイドルらしいキラキラ感を活かせる機会に恵まれた彼女たち。主演した山下と久保はこれ以後も当時の欅坂46、ひらがなけやきのメンバーと演じたホラー・サスペンス舞台『ザンビ』も経験し、今では俳優として引くて数多の2人に。

伊藤理々杏も自身の個性を活かしてアイドル的な役を演じる機会に恵まれ、早川は華のある役だけでなく、シリアスな作品でも印象を残してきた。梅澤も山下・齋藤飛鳥との映画『映像研には手を出すな!』や舞台『キングダム』で、アクの強い存在感を放っている。

もともと、乃木坂46と演劇界の接点は多い。在籍中から何作もの人気ミュージカルに出演してきた生田絵梨花のように個々のメンバーによる外部出演も盛んなだけでなく、メインキャスト、あるいは全出演者を乃木坂46で占める舞台企画も継続してきたことが特徴だ。その原点といえるのが、結成後まもない2012年に初演された『16人のプリンシパル』だ。

まだデビュー2年目で演技経験もほとんどない1期生だけで演じ、1幕でのメンバーの自己PRを観た観客が幕間に投票して2幕の芝居の配役が決まるという、リアルオーディション形式の舞台である。しかも、投票で16人に漏れたメンバーは2幕の出番がないというシビアな公演で、サバイバルオーディションの要素も持っていた。

毎日シビアに結果が表れる本作はメンバーにとってもハードな経験で、ドキュメンタリー映画の『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』にもその様子が描かれている。メンバー・スタッフとも試行錯誤だった12年の初演から13年には『16人のプリンシパル deux』、14年には『16人のプリンシパル trois』を上演する。「trois」ではコントも演じ、役柄を広げていった。

3期生と4期生はそれぞれ加入から約半年になるタイミングで『3人のプリンシパル』を演じる。こちらは2幕の芝居の3人の出演者(3期生は『銀河鉄道の夜』4期生は『ロミオとジュリエット』)を1幕のオーディションで選ぶもので、公演が進むと3役全てを演じるメンバーも現れる。17年の3期生の公演では山下・久保・伊藤・中村麗乃・与田祐希が3役を制覇し、19年の4期生バージョンでは早川が3役全てでの出演を勝ち取った。皆その後も順調にドラマ・映画や舞台での出演を続けているメンバーだ。

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