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UPDATE|2024/02/16

「ytv漫才新人賞決定戦」ROUND3で1位通過、バッテリィズの“どの層にも刺さる”お笑いスタイル

バッテリィズ

「ytv漫才新人賞決定戦」ROUND3が2月11日に放送され、バッテリィズが1位通過、ぎょうぶが2位通過、そしてたくろうが敗者復活枠として決定戦進出を決めた。

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今回、注目したいのはやはり会場で一番の笑いを受け、トップ通過となったバッテリィズだ。カベポスターやダブルヒガシと同期の10年目で、近年では2022年にABCお笑いグランプリ最終予選進出、M-1グランプリ2023準決勝進出など賞レースでしっかりと結果を残し、お笑いファンの間では知られた存在となりつつある。

ネタの種類としてはコントなどに入らないしゃべくり漫才が基本で、アホキャラであるボケのエースに対し、ツッコミの寺家が様々なことや場所の良さを説明していくというもの。「ytv漫才新人賞決定戦」ROUND3では茶道、M-1グランプリでは(旅行で行こうとする)北海道がそのテーマとなった。しかし、エースのキャラクターゆえにその良さや理由がわからず、説明に対するリアクションが笑いに変わっていく。

バッテリィズのこのスタイルの特徴をひとつ挙げるとするならば、見やすさだ。まずエースの前髪が揃っていて襟足が長いという奇妙な髪型によって、登場して1秒でボケということを認識させ、さらにアホキャラであるということもすんなりと腑に落ちる。場合によっては、寺家が「30歳過ぎて友達集めて自転車鬼ごっこをやっているようなやつ」とつかみを入れることでしっかりと補足も加える。

この初動によって必要以上に説明することなく、寺家が何かの良さを教えるという次の流れに移っていくことができる。もちろん、単純なおバカキャラとの漫才でトップという評価を得たわけではない。

エースのその真っ直ぐさ、もしくはアホさと言い換えることもできるが、それによって言い分が「正論」のようにも聞こえてくるのだ。今回のケースでいえば、茶道のお茶に対してエースは「なんで工夫して苦み迎えにいかなあかんねん」と返し、「確かに!」といったように笑いが起きた。

つまり彼らの漫才は大人から子供までどのような層にも刺さることが想像できる。これまでの「ytv漫才新人賞決定戦」で決勝進出を果たしたぐろう、空前メテオ、ぎょうぶなどはいずれもしゃべくり漫才だったが、独自の論を展開するという共通点があり、ハマれば強いが、やや客層を選ぶというきらいもあった。同じしゃべくり漫才でも、何も考えてなくても笑えるというバッテリィズのスタイルは「ytv漫才新人賞決定戦」で一気に跳ねることになるかもしれない。

なお、「ytv漫才新人賞決定戦」ROUND3は現在、TVerで配信中。地域にかかわらず、生きのいい関西若手芸人の漫才を見ることができるので、確認してみてはいかがだろうか。

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まっつ


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