FOLLOW US

UPDATE|2023/12/24

ハリウッドザコシショウ 「R-1芸歴制限撤廃は大賛成。全ての芸人に平等にチャンスが与えられるべき」

ハリウッドザコシショウ 撮影/西邑泰和

2016年の『R-1ぐらんぷり』で優勝し、ピン芸人として独自の道を爆走するハリウッドザコシショウ。12月30日(土)(25時〜)には、自腹でテレビの放送枠を買い取り、製作費もすべて自身のポケットマネーから捻出した番組『提供ハリウッドザコシショウ』がtvk(テレビ神奈川)で放送される。今回、そんな勢いに乗るハリウッドザコシショウに、10年以下の年齢制限を解除した『R-1グランプリ』、そして決勝進出者が発表されて大きな盛り上がりを見せる『M-1グランプリ』など、「賞レース」について持論を聞いた。

【写真】自腹で放送枠を買い取ったハリウッドザコシショウ

今年も年末の風物詩『M-1グランプリ』決勝戦が近づいてきた。今大会は最多応募者数が更新されたということで、例年以上に熱い戦いが期待されるところ。しかし、ここに来てお笑い賞レースを取り巻く情勢は微妙に変わりつつある。ピン芸人日本一を決める『R-1グランプリ』では芸歴10年以下の年数制限が撤廃された。一方で結成16年以上の漫才師だけの大会『THE SECOND ~漫才トーナメント~』が新設されたことにより、結成15年以内の縛りがある『M-1グランプリ』で勝利を逃した芸人にもチャンスが到来したのだ。

では今後、お笑い業界はどのように動いていくのか?「賞レースは年々レベルが上がっている」と前置きした上で、現状の分析と未来の展望を解説してくれたのは異能の芸人・ハリウッドザコシショウだ。2016年の『R-1ぐらんぷり』覇者である彼は、21年から審査員に就任。誇張モノマネなど一見するとデタラメに感じる芸風も実はすべて緻密な計算に基づいたものであり、それゆえ業界内での評価は極めて高い。21年に『M-1グランプリ』で優勝した錦鯉が、ハリウッドザコシショウにアドバイスを乞うていたのは有名な話だろう。

「今回、R-1が芸歴制限を取っ払ったのは英断だと思います。もともと個人的には芸歴制限を設けること自体に反対でしたから。過去を振り返ってみると、R-1はM-1やキングオブコントで失敗した人の受け皿になってきたという側面があるわけです。実際、僕自身も優勝したときは24年目だったし、ほかにも歴代優勝者は20年選手ばかりでした。

ところが他のコンテストを意識したのか、制限を作ってしまったことにより、『誰でもチャンスがある』というR-1が持つ魅力の一端が削がれてしまった気がするんです。M-1の出場制限は結成から10年、または15年だったじゃないですか(01年と02年は結成10年未満、03年から10年までは10年以内、15年の大会復活時からは15年以内)。仕方なく11年目あるいは16年目からは自分のコンビやトリオを解散させ、個人でR-1に出場するというパターンが多かった。それすらできないというのは厳しいです」

そもそもお笑い芸人という職業において、キャリア10年目は駆け出しの範疇というのがハリウッドザコシショウの考え方。たとえ賞レースで辛酸を舐める結果になっても、「来年こそは……!」と奮起することで実力が身についていくというのだ。

AUTHOR

小野田 衛


RECOMMENDED おすすめの記事