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UPDATE|2023/12/24

ハリウッドザコシショウ 「R-1芸歴制限撤廃は大賛成。全ての芸人に平等にチャンスが与えられるべき」

ハリウッドザコシショウ 撮影/西邑泰和



「もちろんテレビ局の立場も理解できる部分はあるんです。『お笑い第七世代』という言葉に代表されるように、番組製作側というのは同じ面白さならベテランよりも若手を重宝したがるもので。だけど横一線で勝負させちゃうと、やっぱりなんだかんだ言ってもキャリアが長いオジサン芸人のほうがウケちゃうんです。そして若い子は埋もれちゃう」

とはいうものの、世代交代を大会ルール上の縛りで推し進めることはいささか強引な印象も受ける。栄枯盛衰、盛者必衰の掟はお笑い史において繰り返されてきており、下剋上を狙う若手芸人が天下を獲るのは自然の摂理だからだ。

「そして、THE SECOUNDができたことで状況が変わりましたよね。M-1のラストイヤーが終わったところで、漫才師として全然やれちゃう。マシンガンズなんていい例ですけど。やはりチャンスは平等に与えられるべきでしょう。

年季が入ったからこその面白さって、やっぱりありますから。それに人間って何もチャンスがないと腐っちゃうんです。チャンスがあるから頑張ろうと考えるわけで。芸人も年齢を重ねればヨボヨボになってみずぼらしく映るかもだけど、逆にそれが深い味わいになることもある。そのへんは人柄にもよるし、そもそもお笑いっていろんなスタイルがあってしかるべきだろうし」

近年、芸人がテレビで活躍するためには、賞レースで勝つことが必須条件のようになりつつある。先日も実力派コンビの和牛が解散したことで世間に大きな衝撃を与えたが、「M-1を制していたら、こんな結果にならなかったかも……」と惜しむ声が絶えなかった。“賞レース至上主義”とも呼ばれるこうした現状について、ハリウッドザコシショウはどう捉えているのか?

「吉本以外の芸人は、特にその傾向が強いです。優勝しないと、爪痕を残す機会すらほとんど与えられない。とはいうものの、永野やきしたかのみたいに賞を獲ったことがなくても活躍しているケースだってあります。つまり賞レースを制したら安泰かもしれないけど、優勝したことがなくても売れる可能性は十分にあるということ。今ならYouTubeみたいな手法もあるわけですし。逆に言うと、永野なんかは賞を獲ったことがないのにあそこまで売れていて本当に大したものだなと感心します」

ここ数年、ハリウッドザコシショウは審査員としての活躍も目立つ。短い尺の中で、視聴者も演者も納得できるコメントを出すのは至難の業。「あの言い方は誤解を生むかな」「もっと気の利いたことが話せたかも」などと収録後にクヨクヨ考えることも多いという。「芸人たちは本当に人生を懸けて出場しているわけだけど、芸歴制限がなくなったら少しは僕の肩の荷も降りるはず」というのは偽りなき本音だろう。芸人たちが見せる不退転の覚悟に注目が集まる。

【あわせて読む】ハリウッドザコシショウ、自腹で放送枠を買い取り番組製作「取材露出NGにしてきた僕の家族も登場する」
AUTHOR

小野田 衛


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