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UPDATE|2024/02/15

アメリカン・アイドル優勝者ファンテイジアの2ndドリーム、ミュージカル映画『カラーパープル』

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2月9日から日本でも公開されたミュージカル映画『カラーパープル』。公式が「スピルバーグの~」と、うたっていたり、実際にスティーブン・スピルバーグが製作に入っているからややこしい部分もあって、勘違いしているメディアも多いのだが、今作はスピルバーグが1985年に制作した同名映画のリメイクではない。

【写真】『カラーパープル』場面写真【10点】

では何かというと、アリス・ウォーカーの原作を舞台化したものの映画化である。

例えばジョン・ウォーターズのカルト映画『ヘアスプレー』(1988)をミュージカル舞台化して、さらにそれを映画化した『ヘアスプレー』(2007)や、現在アメリカで公開中の『ミーン・ガールズ』のように、逆輸入ミュージカルではないのだ。

さらに言えば、1985年版『カラーパープル』が公開された当時は、まだアカデミー会員の白人の割合が圧倒的に多く、それでいて会員数が極端に少なかった。アカデミー賞では評価されたものの、黒人のルーツや信仰心を描いた作品を、娯楽映画監督のスピルバーグが撮ったことに対する反発が多く、黒人ユーザーからは、かなり酷評された。

それもあって、作品の本質を改めて描こうとして制作されたのが舞台版なのだから、スピルバーグ版のリメイクという印象が付いてしまうのは、趣旨とズレてしまう。”舞台版の映画化”と改めて言ってもらいたい。

そして、ファンテイジア・バリーノにとってのセカンドドリーム映画として観ることで、さらに感動が増すはずだ。

今作で主演務めたファンテイジア・バリーノというアーティストは、グラミー賞受賞経験者であり、洋楽ファンであれば彼女のパワフルな歌声を聴くのは初めてではないと思うが、演技を観たという人はかなり少ないのではないだろうか。それもそのはず、劇場公開映画に出演したのは、今回が初めてなのだ。

もともとファンテイジアといえば、オーディション番組「アメリカン・アイドル」シーズン3の優勝者として知られているが、シーズン3に出場していたもうひとりのビッグアーティストがいる。それはジェニファー・ハドソン。

「アメリカン・アイドル」においては、ジェニファーはトップ7で敗退するものの、『ドリームガールズ』のオーディションではエフィ役を見事に獲得する。


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