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UPDATE|2024/02/15

佐々木蔵之介が医療界の神に? “医療版デスノート”と話題を呼ぶ冬ドラマ『グレイトギフト』

衝撃のサバイバル医療ミステリーで「凸凸変人コンビ」を演じる反町隆史と波瑠(『グレイトギフト』公式Xより)



『グレイトギフト』は主人公が直接殺人行為を行うわけではないが、佐々木蔵之介演じる白鳥がさながら「キラ」こと夜神月といったところだろうか。ここまで放送されたエピソードを見るかぎり、彼の“医療界を変えたい”といった目的はおそらく本物。より多くの人を救うために人を殺すという、ある種の倒錯めいた行為を行っていく。まるで医療界における、「新世界の神」にでもなろうとしているかのようだ。

物語のなかでは、医療界に腐敗が満ちていることが示されている。しかしだからといって、白鳥の独善的な行動が正当化されるわけではないだろう。「ギフト」を利用した医療界における“悪性腫瘍の摘出”をどのように考えるべきなのか……。観る者の善悪を問い直すようなテーマ設定に関しても、『DEATH NOTE』を髣髴とさせる部分がある。

医療モノのドラマというと、どうしても専門的な話が多くなったり、医者同士の派閥争いや「命の重み」といったテーマが多くなったりしがちで、作品全体の雰囲気がお堅くなることを避けにくい。だが、同作では医療モノのお約束を『DEATH NOTE』的なサスペンスに組み込むことで、エンタメとして昇華してみせている。「ギフト」をターゲットにどのように使用するか、球菌が消滅するまでの時間をどのように稼ぐか……といった駆け引きは、まさにキラの頭脳戦を見ているようだ。

また、この手のエンタメに重きを置いたドラマとしては珍しく、出演者が渋いのも好印象。主人公役の反町や白鳥役の佐々木を始め、白鳥の腹心である郡司博光役の津田健次郎など、いわゆる“イケオジ俳優”たちが多数出演している。ファンタジー設定が中心でありながら、医療ドラマとして一定のリアリティを保っているのは、彼らのような俳優陣が絵としての説得力を上げているからかもしれない。

とはいえこの手の正義や倫理を問うストーリーで一番大事なのは、やはり物語の着地点。ドラマはまだまだ始まったばかりなので、今後の展開にも注目していきたい。

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