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UPDATE|2024/02/03

16歳で単身京都へ…莉乃、舞妓という経歴「一人世間から取り残されているなと寂しさも」

莉乃 撮影/たむらとも

今年1月の『FRIDAY』(講談社)に掲載された撮り下ろしグラビアをキッカケに、芸能界デビューを果した莉乃。16歳で単身京都へ向かい、20歳まで舞妓として活動してきた彼女が、なぜ芸能界という未知の世界へ転身すると決めたのか? 彼女の半生について聞いた。

【写真】元舞妓という経歴で話題、莉乃の撮りおろしカット【8点】

──おばあ様の影響で伝統芸能へ憧れを抱くようになったそうですね。

莉乃 祖母は着物が好きで、よく展示会にでかけていて。そこに好き勝手について行くうちに、着物や和の文化への興味が湧くようになっていました。小学生の頃から三味線を習い始めたりもしましたね。ほかにも進学塾、ピアノ、書道、水泳……覚えてないぐらいに習いごとに通っていました。

──では、舞妓になろう!と思ったのは何がキッカケだったんです?

莉乃 中学1年のとき、図書室を使い興味のある職業について調べる授業があって。当時、将来の夢が何もなく何事にも興味が湧かない人間だったので、何も思いつかずボーッとしていたんです。それで、ふと後ろの棚に目をやると舞妓さんについての本を発見したんです。「へえ、舞妓さんって仕事なんだ」と気になり読んでみたところ、すごく面白そうだなと惹かれました。

──それで本格的に舞妓への道へ進もうと。

莉乃 いえ。両親に「いいかも」と話すことはありましたが、それ以上の感情が浮かぶことはありませんでした。その後、普通に高校に進学するのですが、その学校が肌に合わず1年経たずに退学してしまい、その後も別の学校に通えずただただ家で過ごしていたんです。そうしたらある日、親が毎日通う地元の温泉でたまたま舞妓さんのドキュメンタリーを見たらしく、「以前舞妓さんになりたいって言っていたよね、挑戦してみれば?」と言われて。その道があったか……と、頭を過ったときには、すでに京都に向かっていました。

──超行動派ですね(笑)!

莉乃 積極的に行動しないと、全くその先動けない人間なんです(笑)。

──花街の文化について疎いので基礎的な話を聞きますが、置屋(仕込み・舞妓が所属して生活する場所)へ入るには、どのような手順を踏むのですか?

莉乃 知人からの紹介じゃないと入れないなど形は様々ですが、私はインターネットで色々と舞妓・芸妓の世界を調べる中で、すごくキレイな方々がいらっしゃる置屋さんを見つけて。そこへ連絡したところ、「○○日に面接しますのでご両親と来てください」と言われ、面接を受けて、合格の通知をいただき……という流れでした。

──合格し、16歳で仕込み・舞妓としての生活が始まります。入ってすぐにお座敷にまつわる芸事は習うのですか?

莉乃 いえ。私もそうだと思っていたのですが、私がいた置屋さんでは「自分が今何をすべきか」を、ひたすら自分で考えることからすべてが始まりました。お座敷では、周りの方への気配りが重要なので、「今、お母さん(置屋における女将さん)と、姉さん(置屋における先輩)が、こう動いたから、私はこう動いて、あれを持って、あそこで待たないと……」と、周囲の動きを見ながら先回りすることが必要で。朝起きてから寝るまで、常に考えて動くことを叩き込まれていました。

──まるで社会人一年目のような生活ですね。

莉乃 本当にそうでしたね。みなさん舞妓=華やかな世界とイメージされると思いますが、お座敷の外以外は、とにかく地味なことの積み重ね。正直、学生生活ではそこまで周囲に目を向ける経験がなく、注意されっぱなしで一日を終える生活を半年は続けていました。

AUTHOR

田口 俊輔


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