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UPDATE|2024/01/23

“プロレスとアイドル”をめぐる大きな転換点…SKE48荒井優希が王座戴冠、キャリアで培った強さとは

(C)東京女子プロレス

東京女子プロレスで活躍するSKE48の荒井優希が、2024年1月4日の後楽園ホールで〝規格外の怪物〟マックス・ジ・インペイラーが持つインターナショナル・プリンセス王座へと挑戦し、見事に王座初戴冠した。2024年、これから荒井はどんなドラマを見せてくれるのか? 1月25日には荒井優希、伊藤麻希、瑞希、渡辺未詩の成長物語を掘り下げた書籍『プロレスとアイドル』(太田出版・刊)も発売される。今年も、東京女子プロレスのリングを舞台にした“プロレスとアイドル”を巡るドキュメンタリーから目が離せない。

【写真】SKE48荒井優希が王座初戴冠を果たした試合の模様【28点】

「プロレスをはじめてからはずっとそうなんです。イッテンヨンが私にとって、毎年、仕事始めなんですよ」 

2021年5月から「プロレスとアイドル」の二刀流で活動しているSKE48の荒井優希。

今年はまず1月4日、後楽園ホールでプロレスラーとして試合をし、翌5日には名古屋に戻り、SKE48劇場で今年初のステージに立つ。どちらのジャンルでも活躍できているからこそのダイナミックなフットワークである。

最高の1年にするために、まずはプロレスラーとして最高のスタートダッシュを切りたいところだったが、荒井優希の前には大きすぎる壁が立ちはだかっていた。

インターナショナル・プリンセス王者のマックス・ジ・インペイラー。ちょっとやそっとじゃ倒せないモンスター級の超巨漢レスラー。シングルマッチで、しかもタイトルマッチでの対戦というのは、早くも2024年最大の修羅場がやってきてしまったようだ。

年末のインタビューでは「怖いけど逃げない。Finallyが決まれば勝てる!」と勝機を見出していた荒井優希だったが、結局、どうすればFinally(脳天へのかかと落とし)をぶちこむためにマックスの巨体をひざまずかせることができるのか、という課題はクリアできないまま越年してしまった。

だが、そのチャンスは試合開始すぐにやってきた。

ここぞとばかりにFinallyを狙う荒井優希だったが、マックスは華麗にかわす。やっぱり、ただひざまずかせるだけでなく、そこまでに相当のダメージを与えておかないと攻略は難しそう。しかも、この攻防で荒井優希の狙いがバレてしまったので、この先は警戒が強まる。いきなり勝率がガクンと下がってしまった。

なによりもマックスは強い。ちょっと驚いたのは軽い感じで荒井優希を放り投げたとき。コーナーポストの前からポーンと投げたら、次の瞬間、荒井優希の体は反対側のコーナーの前まで吹っ飛ばされていたのだ! プロレスラーとして、けっして小さい部類ではない荒井優希を文字通り、子ども扱い。新年早々、残酷な現実が浮き彫りとなった。

極論をいえば、これはもう攻めるだけムダだ。10発蹴っても、マックスのパンチ一発で戦況はひっくりかえってしまう。だったら、もう、極限までマックスの攻撃を受けまくって、一瞬の隙に一発大逆転を狙った方が勝機はきっと広がる。

本人がそう考えたのか、それとも手が出せなくなってしまったのか、試合はそんな展開になった。問題は荒井優希がこの猛攻に耐えきることができるのか? 軽い投げでも必殺技級の威力を誇るのがマックス・ジ・インペイラー。つなぎ技でKOされてしまう、という屈辱的な敗北を味わう可能性もゼロではない。衝撃が走ったのは場外での強烈な一発。

わざわざ入場ゲートの前まで引きずっていって、そこで地獄の底へと叩きおとすかのようなボディースラム。入場ゲートの前だから、そこにマットは敷かれていない。単なる硬い床である。アイドルをそんなところで放り投げたら、これはもう大事件なのだが、荒井優希はプロレスラーでもあるから事件にはならない。ただ、会場全体に「あぁ、これは勝てないな……」という諦めムードがイッキに広がった。

しかし、荒井優希は強かった!

AUTHOR

小島 和宏


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