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UPDATE|2023/09/23

飯豊まりえ、デビュー15周年記念写真集にこめた想い「限りなく素に近い私を見ていただけたら」

飯豊まりえ 撮影/荻原大志



──特に印象的な場所はどこでしょうか?

飯豊 生まれて初めて行った西表島ですね。普段は川辺に林があるのですが、潮が引くと底が露わになって。そこを素足で歩いたら、すごく気持ち良かったんですよ。ただ、イリオモテヤマネコに会えなかったのが心残りです(笑)。あと、西表島とは対照的なのですが、雪の中での撮影も良かったです。雪に寝そべったら、周囲の音がかき消されるんですよ。東さんやスタッフさんの声も雪に吸収されて、とても静かな世界でした。

──大半をフィルムカメラで撮影したそうですが、意識はしましたか?

飯豊 意識をしないということを意識していました。何枚か撮るたびに「これで〇〇円ぐらいだから」「1シャッターで1枚のクッキーを食べているのと同じだからね」みたいなことを東さんに言われていました(笑)。

──『かの日』という写真集のタイトルは、飯豊さんが考えたそうですが、どういう思いが込められているのでしょうか。

飯豊 写真集のコンセプトが「昔の記憶」や、「楽しかった日」だったり。特別という訳ではないけれど、忘れられない記憶や、忘れられない日ってあるじゃないですか。それを「かの日」という言葉で表現できたらなと思いました。タイトルを決めるにあたって、普段の生活の中で気になる言葉をメモしていたのですが、なかなか決まらなくて。「どうしよう……」と思っていたら、ギリギリになって、「これだ!」と降りてきました。

あと荒木経惟さんの亡き奥様・荒木陽子さんが綴ったエッセイ『愛情生活』が大好きなのですが、恋愛とはまた違った愛の形といいますか、まさに愛情を感じられる文章なんですよね。そういう温かさやノスタルジーな雰囲気を、この写真集からも感じてもらえたらうれしいですし、「かの日」というタイトルに思いを込めています。

──まさしく荒木経惟さんの写真に通じるノスタルジーな写真も収録されていますが、完成した写真集を手に取ったときの感想を教えてください。

飯豊 写っているのはここ約1年間の自分なのですが、どこか懐かしくて、おうちにあるアルバムの写真を見ているような感覚でした。表紙の写真は特にお気に入りで。この写真集のコンセプトや物語性に合っているなと思って選びました。ぜひ表紙を広げて全身を見てみてほしいです。

(取材・文/猪口貴裕)

▽飯豊まりえ(いいとよ・まりえ)
1998年1月5日生まれ、千葉県出身。B型。映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ドラマ『何曜日に生まれたの』に出演するなど女優として活躍しながら、ファッション雑誌『Oggi』(小学館)の専属モデル、『MORE』(集英社)のレギュラーモデルとしても活動している。
X:@marieiitoyo
Instagram:marie_iitoyo
CREDIT

取材・文/猪口貴裕 撮影/荻原大志


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