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UPDATE|2023/09/06

地方アイドルのパイオニア・Negiccoが歩んだ20年…会場一体2000人、涙のラインダンス

Negicco



結婚して、出産してもアイドルとして生きていく。

Negiccoとして、生きていく。 これが3人の意思表示。それを喜んで受け入れてくれたファンと一緒に、彼女たちの歴史は21年目からも続いていく。

ファンとしては、毎週のようにライブがあって、いつでもパフォーマンスを楽しめるような環境がベターなのだろうが、1年に1回でいいから、こうやってゆったりとステージを満喫できる機会があれば、それでいい。そんな新しいアイドルとしての生き方を、これから5年でも10年でも見守り続けていきたい。

コンサートのクライマックスは会場が一体となってのラインダンス。『圧倒的なスタイル』が流れると、みんなで踊るのは長年のお約束というか、もはや名物なのだが、隣のお客さんと肩を組んで、という行為自体、コロナ禍では不可能だったし、一席空けのソーシャルディスタンス仕様なら、そもそも間に誰もいない。

そんな制限も大幅に緩和された2023年の夏、20周年を迎えたNegiccoがみんなの前に戻ってきてくれた悦びを全身で現すかのような2000人でのラインダンス。常連さんも一見さんも、みんな笑顔で踊っている姿を見たら、Negiccoが20年やってきたことは間違いじゃなかったと素直に思えたし、どんなに躓いても、遠回りをしても、けっして歩みを止めないことが正解なんだな、と思った。

ローカルアイドルという、まだ誰も正解を知らないジャンルを20年前に歩み始めたパイオニアが自分たちの力でたどりついた「大正解」。こんなにも幸せで、こんなにも泣ける空間、久々に立ち会った気がする。

エンドロールが流れ、場内が大きな拍手に包まれると、ステージ上のスクリーンにはメンバーと熊さんの「家族の肖像」写真が写し出された。そうか。アイドルとして成人式を迎えたんだな、と気づき、また胸が熱くなる。そして、そこに書きこまれた直筆メッセージに「また会おうね」「また集まりましょう」という文言を見つけて、ほっこりした。

いつか、また、会える。

新しいアイドルの常識は、これから3人によって、どんどん更新されていくことだろう。
AUTHOR

小島 和宏


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