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UPDATE|2023/08/12

「敵か味方か」…壮大なスケールのドラマ『VIVANT』が覆すテレビドラマの常識

『VIVANT』第5話予告(TBS公式YouTubeより)


本作は、日本だけでなくモンゴルでもロケが敢行された。テロリストによる爆破事件、広大な砂漠でのラクダとの長旅、乃木らと警察のカーチェイスなど、日本のテレビドラマの常識を覆す壮大なスケールで物語が描かれている。

架空の国「バルカ共和国」にあるテロ組織の標的が日本で、テロから日本を守る「別班」の一員が主人公の乃木。しかも乃木は多重人格で、普段はドジな人間だが、別人格「F」に切り替わった時はとてつもなく頭が切れる…堺雅人によるキレキレの力強い演技は、記憶に残る名作『半沢直樹』を彷彿とさせる。

また、本作では「敵か味方か、味方か敵か。」という謳い文句が使われている。その言葉の通り、誰が敵で味方なのか分からないのが魅力的だ。例えば乃木の同期・山本は、入社以来ずっと乃木と仲が良かった。第3話では乃木の手助けをするなど、社内でも数少ない味方のはずだったが、第4話でテロ組織の一員であることが判明した。さらに、黒須は最初テロ組織の一員と名乗り山本を助けたが、本当は別班で敵だった。

このように、本作では誰が敵で味方か分からない。主人公の乃木が別班であることは分かったが、公安部の野崎や医師の柚木が正体を隠している可能性も十分に秘めている。専務の長野利彦(小日向文世)も怪しいし、これまで乃木たちを助けてきたドラム(富栄ドラム)が何者なのかもまだ分からない。序盤で少しだけ登場した役所広司や二宮和也は、どのように物語に絡んでくるのか。そして、乃木の本当の敵は誰なのか。今後の展開に期待が膨らむ。

【あわせて読む】『VIVANT』“漫画的リアリティ”と“ツッコミどころのあるユルさ”が作り出す視聴者との共犯関係

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