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UPDATE|2023/08/06

『VIVANT』“漫画的リアリティ”と“ツッコミどころのあるユルさ”が作り出す視聴者との共犯関係

『VIVANT』第4話では誤送金事件の真相が明らかに(TBS公式YouTubeより)

「限界突破!アドベンチャードラマ始動!」という謳い文句で、TBS系「日曜劇場」にて放送中の『VIVANT』。堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司ら豪華キャストを揃え、2か月半にわたるモンゴルロケを敢行したというスケールのデカさも話題の、今クール最注目ドラマだ。

【写真】堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司ら豪華キャスト陣

主人公・乃木憂助(堺雅人)が勤務する丸菱商事で、1億ドルが誤送金される事故から物語は始まる。彼が送金ボタンを押していたことから、故意の犯行であると疑われてしまい、その解決のために単身バルカ共和国へ渡航。調査の末に、事件の裏にテロリストの暗躍があったことを突き止める。

ところが、面会を果たしたテロリストのアル=ザイールは「お前がVIVANTか?」という言葉を残して爆弾自決。爆破事件の重要参考人として追われる立場となった乃木は、警視庁公安部の野崎守(阿部寛)、WHIの医師・柚木薫(二階堂ふみ)と共に、命からがら日本へ脱出する。

そして、サイバー犯罪対策課の東条翔太(濱田岳)の協力のもと、誤送金事故は別の人物による策謀であったことが明らかになる…というのが、放送された第3話までのあらすじ。その予測不能な破格の展開に、SNS界隈でも盛り上がりを見せている。

7月16日に放送された第1話から、その“破格さ”はスパークしていた。冒頭から乃木が広大な砂漠のど真ん中でウロウロしているし(どこか『スター・ウォーズ』の惑星タトゥイーンを思い起こさせる)、テロリストが爆弾自決するし、山羊の大群が大暴走する。ストーリーというよりは「画」の力で視聴者をねじ伏せてしまう、剛腕ぶりが発揮されているのである。

本作は、『半沢直樹』、『下町ロケット』、『陸王』で演出を務めた福澤克雄によるオリジナル・ストーリー。福澤作品は、「倍返しだ!」でお馴染みの高血圧演出が特徴的だが、そこに圧倒的な「画力」が加わることで、その高血圧ぶりがさらに増している。
AUTHOR

ルイ 竹島


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