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UPDATE|2023/07/11

日韓対抗戦で激突! 秋山成勲が語るBreakingDown参加の理由と韓国の格闘技事情

韓国勢の参戦について語る秋山成勲


──ところで韓国の格闘技シーンって、現在はどれくらい盛り上がっているんですか?

秋山 韓国で最初に格闘技が大きく盛り上がったのは、チェ・ホンマン選手がK-1に出ていた頃なんです。だいぶ前の話ですよね。そのあとはUFCがブームになったんですけど、途中からテレビの放送がPPVに変わりまして。それまでは無料で観ることができたものだから、「なんでカネを払わなくちゃいけないんだよ」と一気に人気が下火になった。一方で国内大会としてはロードFCというものがあり、一生懸命頑張って一時は盛り上がってはいたんです。ところが、途中から勢いがなくなってきましてね。

──何があったんですか?

秋山 これは私見なんですけど、あまりにもエンタメ要素を入れすぎた。それで大会の頻度も徐々に減っていったんですよ。それで韓国人選手の多くは、UFCなりONEなり海外の大会を目指すようになっていきました。その中ではUFCで活躍するジョン・チャンソン選手が、韓国だとコナー・マクレガーみたいなカリスマ的人気を誇っています。もともと韓国人も格闘技自体は好きなんですよ。ただ気軽に観ることのできる環境がないものだから、どうしてもマニアックなジャンルにとどまっていた。もっとも最近はUFCが再び無料で観られるようなったり、BLACK COMBATという新興団体が出てきたり、少しずつ状況は改善されつつありますが……。

──日本を目指すという選手は?

秋山 RIZINを目指しているトップ選手はほぼ皆無だと思いますね。ビッグ・マネーを稼ぐつもりなら、やっぱりアメリカの大会かONEということになるので。正直なところ、BreakingDownだってファイトマネーが莫大というわけではないですしね。僕自身も「でも、日本では信じられないくらい人気があるコンテンツなんだ。ここで活躍すれば、必ず人気者になれる」という点をプッシュしながら説得していきましたね。みんな日本の料理は大好きなので、「東京に行ったら、たらふく美味いものが食えるぞ」とニンジンをぶら下げたりしながら(笑)。

──会見のとき、秋山選手は「韓国人ファイターは徴兵を経験しているのでタフ」とコメントもしていました。

秋山 僕自身は兵役を経験しているわけではないのですが、やっぱり死ぬほど苦しい場所であるのは間違いないんです。「2年ばかり学校に行って卒業しました」という話とは全然違う。いまだに韓国は休戦状態ですからね。戦争が終わっていない中、紛争地帯の最前線でどうやって相手を倒すかということを具体的に教わるわけで。生半可な気持ちでは絶対に乗り切れないし、フィジカル面はもちろんだけど、メンタルも根本から鍛えられることになります。だから戻ってくるときは、やっぱり全員がビシッとカッコよくなっていますからね。一本筋が通っているというか。そこは韓国人選手の強みだし、特徴だと思っています。

【あわせて読む】BreakingDowon KOREA構想も、秋山成勲「人は誰でも失敗する、セカンドチャンスはあった方がいい」
AUTHOR

小野田 衛


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