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UPDATE|2023/07/04

HKT48最後の1期生本村碧唯、異例の卒業ロード「将来アイドルのためのダンス教室を開きたい」

HKT48本村碧唯 撮影/大江麻貴・双葉社



同期を全員、いや、これまでHKT48から巣だっていったメンバーをすべて見送ってきた本村碧唯だが、いざ自分の番になると、どうしていいかわからなくて戸惑いまくっている。1期生ならではの悩みを、最後の1期生がまるっと背負った。本人は「卒業コンサートも卒業公演も実感が沸かないまま終わりそうな気がする」と困惑しながら語るが、そんな本村碧唯の感情の変化をステージ上での表情や歌声から読み取るのも一興かもしれない。

ちなみに卒業記念のフォトブックの構成も、卒業コンサートでの演出も本村碧唯本人の意向や意見が色濃く反映されている、という。ここまでアグレッシブになれたのは自分の性格を考えたら珍しいかも、と本村碧唯は言う。

「ノリや勢いでえーい!って動くことができないんですよ。昔、ネイルの勉強をしたいなって思ったことがあって。そんなこと、自分の意思でどうにでもなるじゃないですか? でも、私は当時、通っていたネイルサロンのスタッフさん全員に『この仕事に就いたきっかけは?』とか『勉強するにはどうしたらいいですか?』って何ヵ月もかけて、じっくり取材して(笑)。そこまでしても、やっぱり今じゃないかな、とか。そういう性格なんですよ、私」

アイドルとしては、そういう性格で損をしてしまったかもしれない。その場のひらめきで弾けたほうがステージでも目立つし、注目度も高くなるからだ。

でも、チームKⅣのキャプテンとして、そして今ではHKT48全体のまとめ役になったことで、その慎重な性格と冷静な視線は最強の武器になった。普通ならこういう存在が抜けてしまうと残されたメンバーはたいへんだが、この8ヶ月のあいだにキャプテンの座を松岡はなにしっかりと委譲し(通常は卒業コンサートのステージ上で次期キャプテンが発表され、その場で引き継ぎがおこなわれる)、新しいチームが発足して軌道に乗るまでをチームの一員として内側からちゃんと見届けてきたから、なんの心配もない。これもまた異例の卒業ロードのおかげである。

卒業後はタレント活動を行わない、と公言している本村碧唯だが、未来の夢として「アイドルになりたい人のためのダンス教室を開きたい」という。アイドルを目指して、ダンススクールに通う女の子はたくさんいるが、一般的なスクールで習うダンスと、実際にアイドルになってステージで披露するパフォーマンスとでは、ちょっと種類が異なってくる。

それだったらオーディションを受ける前からアイドル流のダンスを身につけておいたほうが話は早い。この夢が実現したら、本村碧唯の指導を受けた女の子がHKT48の新メンバーとして加入する、という素敵な未来がやってくるかもしれない。1期生が全員、卒業して長年、受け継がれてきた伝承が途絶える、と危惧する方もいるかもしれないが、どうやらそんな心配は必要なさそうだ。

もうひとりの1期生・中西智代梨(2014年にAKB48に移籍)も8月の卒業が決まり、本当にHKT48の立ち上げに関わった1期生は誰もいなくなってしまう。

歴史が変わる、夏。

記憶に刻まれる、夏。

12年間のアイドル生活を見事に完走しようとしている本村碧唯のラストランをぜひ、その目に焼きつけていただきたい。きっと、忘れられない夏、になる。

【あわせて読む】HKT48最後の1期生・本村碧唯の卒業フォトブックが発売「12年間の感謝の気持ちを込めた」
AUTHOR

小島 和宏


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