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UPDATE|2022/11/27

麒麟・川島やパンサー・向井のトーク炸裂、今“朝〜夕”放送の芸人ラジオが熱い

TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』公式サイトより



1つ目は、エレキコミックのやついいちろうがパーソナリティを務める『エレマガラジオDX』(ラジオNIKKEI、毎週火曜日22:00~23:00)。やついと言えば、「DJやついいちろう」としてCDをリリースしたり、音楽フェスに出演したり、毎年「やついフェスティバル」を主催したりするなど、音楽好き芸人として真っ先に名前が挙がる芸人の1人。この番組には、地上波テレビの音楽番組やFMの音楽番組にもあまり出ないようなミュージシャンも多数出演している。ゲスト自身の曲のみならず、ゲストによる選曲も興味深く、新たな音楽や知らない音楽との出会いの機会を与えてくれる番組だ。

2つ目は、「孤高のカルト芸人」永野がパーソナリティを務める『永野とミッキーのLIVE BUZZ』(インターエフエム 毎週金曜日15:00~16:00)。出演は、芸能界きってのロックフリークである永野とバイリンDJのミッキー。「洋楽復興バラエティ」と謳われているように、今では珍しく、貴重な洋楽専門番組だ。台本には書かれていないと思われる永野による余談、蘊蓄、補足情報が素晴らしく、永野の洋楽へのこだわりや偏愛が随所に感じられる。もちろん、時には笑いも交えながら分かりやすく解説してくれるので、洋楽をほとんど聴いていない世代が、音楽のジャンルの幅を広げるいいキッカケにもなりそうだ。

そして、3つ目、音楽番組として打ち出しているわけではないが、「国民的地元のツレ」こと、ヒコロヒーがTOKYO FMでパーソナリティを務める『トーキョー・エフエムロヒー』(毎週金曜日 12:30~12:55)にも注目したい。放送時間は金曜日のランチタイム。そんな時間帯とTOKYO FMという点を意識したヒコロヒーの選曲センスが光る番組だ。海外のインディーズバンドから新旧のJ-POPまで、選曲の幅の広さも魅力。今後はアーティストを迎えたゲストトークにも期待したい。

芸人のトークが音楽の魅力を後押ししているこれら3つの番組は、ラジオだからこそ成立していると言ってもいいだろう。3人の芸人の真っ直ぐな音楽愛が伝わるこれらの番組で、自分のプレイリストには無かった新たな音楽との出会いや発見も楽しんでみて欲しい。

今日ピックアップした【ゲスト番組】、【ワイド番組】、【音楽番組】はすべて、何十年も前から存在し続けるラジオ番組の典型的なフォーマットだが、芸人がパーソナリティを務めることで、また違った輝きを見せている。そして、今回紹介した芸人ラジオはほんの一例で、深夜放送以外の芸人ラジオはまだまだ沢山ある。

大御所だと、木梨憲武が土曜日の朝から生放送していたり、爆笑問題が『サンジャポ』を終えた日曜日の午後に4時間の生放送をしていたり、有吉弘行が日曜日の夜に東京では流れないJFN系列でローカル局向けに生放送をしていたり…と大ブレイクしてもなおラジオを愛し続けている芸人は多い。その一方で、パンサー向井がそうだったように、ラジオから頭角を現し始めているトンツカタンの森本晋太郎ら若手芸人に注目していくのも面白いかも知れない(現在、森本はbayfm『ジェネZZ』等に出演中)。

是非、深夜放送“じゃない方”の芸人ラジオからもお気に入りの番組を探してみて欲しい。

【あわせて読む】オールナイトニッポン元チーフD・石井玄が語る仕事論「今後は“外側”からラジオを盛り上げたい」
AUTHOR

南 喜一


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