最後のほうは息があがってしまって、もう自分のパートしか歌わない、という荒業でなんとか乗り切ったが、当時のMVをバックに歌う姿はエモさしかなかった。ファンからのリクエストということで楽曲も、コンサートやライブで1回しか歌っていないけれど、めちゃくちゃ印象に残っているものばかり、という絶妙なチョイス。まさにめるみおとファンが一緒になって作った「忘れられない1日」となった。
AKB48グループではかつて選抜総選挙というビッグイベントがあり、メンバーとファンがひとつになって闘う、という伝統があったため、単なるアイドルとファンの関係性を超えた「戦友感」や「同志感」が構築されていった。それが10周年を迎えたこの日にもちゃんと健在だったことをめるみおは喜び、新しい「絆」ができたことを実感していた。
たぶん、まだアイドルを続けていたら、これはきっと味わえなかった感覚だったのだと思う。卒業後にフェードアウトしていったとしても、おそらくそうだったのだろう。ちゃんとセカンドキャリアを歩んでいるからこその胸アツ展開だったのだ。
朝長美桜はアイドル時代から続けてきたアクセサリー作りをさらに発展させて『Amy』というブランドを立ち上げた。はじめての経験ばかりで最初は試行錯誤の連続だったが、さまざまな商業施設でPOPUPストアを展開すると、たくさんのお客さんが集まり、いまでは2度目、3度目のオファーが届くようになった。ブランド立ち上げから2年、地道な活動と絶対的な実績で、着実に『Amy』は大きくなっている。