──45歳を過ぎると頭が固くなって新しいカルチャーを取り入れることが難しくなりそうですが、佐久間さんはどうですか?
佐久間 今のところないですね。20代、30代の時、どんなに忙しくても自分の体を全部会社に渡すことなく、好きな映画や舞台を観続けてきたことが大きいと思います。だから、40歳をすぎても時間が空いたら「映画に行こう」となる。僕にとって映画や舞台はご飯みたいなもので、「食べなきゃ死んじゃう」くらい不可欠なものなんです。
──これからも佐久間さんが好きな属性をベースに作品を作っていくのでしょうか。
佐久間 最終的には自分が面白いかどうかを基準に作ると思います。「もっとわかりやすくしよう」とアレンジすることはあっても、「これがウケてるから」で作ることはできないんです。そのためには新しいものに触れて、「受け手としての自分」を磨かなきゃいけない。そうじゃないと「作り手としての自分」は同じようなものを再生産するだけになってしまう。「作り手としての自分」ファーストじゃなく「受け手としての自分」も大切にしたいんです。
──最後に、本の中で紹介されていた焼肉屋の鶯谷園は僕も何度か行きました。いい店ですよね。
佐久間 何も考えたくない時、萩の湯から鶯谷園のコースを選ぶことがあります。鶯谷園は美味しい割に安くて、予約が取りやすいのがいいですよね。