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UPDATE|2022/01/13

『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督が語るコロナ禍で映画を撮る難しさ

上田慎一郎監督 撮影/松山勇樹



――上田監督の中で、どういうところが“実験”だったのでしょうか。

上田 今までの自分にはない要素を盛り込みました。『カメ止め』にしても、『スペシャルアクターズ』(2019年)にしても、チーム物で明るいコメディーなんです。『ポプラン』にもコメディーの要素はありますが、ひたすら明るいコメディーとはいえないトーンですよね。一人の主人公を追いながら、コメディー要素に抑制を効かせた渋みのある映画です。

でも渋さとは相反するポプランを失うプロット。この2つが一緒になるのかというのが、自分の中では実験であり挑戦でしたね。

――確かにプロットは突飛ですけど、家族で見ても違和感のない温かみのある作品ですよね。『ポプラン』はコロナ禍での撮影でしたが、いろいろ制限もあったかと思います。

上田 2020年9月にクランクインして、コロナ対策をしながらの撮影でした。本来のスピード感を出せないですし、コミュニケーションも取りにくいんです。昼食も黙食なので、それまでお昼にごはんを食べながら「次の撮影はどうする?」ってコミュニケーションを取っていたのができなくなって……。それがボディーブローのように効いてくるんですよね。

――多少なりとも状況は良くなりましたか?

上田 現場でのコロナ対策に関しては、それほど状況は変わらないのですが、だいぶスケジュールなどは組みやすくなりました。ただ意外と大きな問題が、作品にコロナ禍を反映させるかどうかなんです。マスクをしていないことがファンタジーだから、リアリティーのある映画であればあるほど、コロナ禍のない世界ってパラレルワールドみたいになっちゃうんです。

なので、この前作った『100日間生きたワニ』(2021年)も、コロナ禍の状況を見ながら脚本を書き換えました。まるまるコロナ禍を反映させるまではいかなくても、現実と地続き感がなくなってしまわないように調整したんです。ただ、今、映画館で当たっている映画はコロナ禍が反映していない明るい映画が多いですよね。みんな現実に疲れて、映画館に夢を見に行きたいというムードもあるので、そこは僕らも日々探りながら考えていますね。

AUTHOR

猪口 貴裕


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