──儚いボーカルに定評がある小片さんらしいエピソードです。ハロプロのレジェンドOGたちを目の当たりにして感じることもありますか?
小片 高橋愛さんとか道重さゆみさんは、私がハロー!プロジェクトに入る前に卒業されていて在籍期間が被っていないので、本当に私からすると「伝説」というイメージなんです。でもこの前、道重さんがつばきファクトリーの曲を選曲して披露してくれたことがあって、ものすごく不思議な感じがしました。でも在籍期間が被っている鈴木さんや夏焼さんとでも、ソロ歌手として同じステージに立っていることが信じられなくなります。10年前の私に言っても絶対に信じてもらえないでしょうね(笑)。宮本佳林さんにしたって、私はファンとして毎回Juice=Juiceのシングルを買っていたくらいなのに……。もちろん自分もM-Line Clubのメンバーになった以上は浮かれてばかりでもいけないから、しっかり先輩方と肩を並べられるようになるまで努力しなくちゃいけないなと思っています。
──同業者として刺激を受ける部分もありますか?
小片 そうですね。特にリハーサルは勉強になることばかりです。先輩たちのパフォーマンスを見ているとき、自分の耳が「ファンとして音楽を楽しむ」から「分析する」みたいに変わったところがあるんですよ。そういう角度で改めて見ると、もう最初の発声からしてレベルが違うなと。本当に新しい発見がいくつもあります。
──宮本さんや夏焼さんのSNSに登場する小片さんの様子を見ていると、すごく和気あいあいとした雰囲気が伝わってきます。
小片 夏焼さんは以前ラジオでご一緒させていただいたことがあって、私がM-Line Clubに加入したときから可愛がってくださっているんです。宮本さんは同じ年なんですけど大先輩で、すごく遠い存在だと思っていたのに、すごく親しい感じで話しかけてくれて、最近では地方の公演前にごはんへ一緒に行ったりできるようになりました。
──M-Lineはソロ歌手が中心に集まっているわけですよね。それなのに、なぜそこまで団結力があるんでしょうか?
小片 私が思うに、大きいのは宮本さんの存在。宮本さんは楽屋でもすごくたくさんしゃべって盛り上げてくれる方なんですよ。それを他のみんなが「うん、そうだね~」とか聞きつつ、話が広がっていくのがよくあるパターン。普段からそんな調子なので、「ここはもっとこうした方がいいんじゃないですか?」とか遠慮なく話せるんですよ。
──公演全体を良いものにするため、メンバーが積極的に意見を出しているわけですか。
小片 結構、その辺は私もM-Line Specialでやるようになって考え方が変わりました。つばきファクトリーのときは、リハでモニターの返りとか尋ねられても「これで大丈夫です」としか言えなかったんですよ。だけど今は夏焼さんや鈴木さんが「この会場は壁がコンクリートだから」とか「本番では高い音をもっと効かせてください」みたいなやりとりをスタッフさんとしているのを見て、私も少しずつ自分の感じたことを伝えられるようになりまして。最初にグループからソロになったとき、正直、右も左も分からない状態だったんですよ。だけどそのスタート地点で先輩たちのやり方を吸収できたから、そこはものすごくありがたかったですね。
(取材・文/小野田衛)
▽小片リサ(おがた・りさ)
1998年11月5日生まれ、東京都出身。A型。2015年から2020年までつばきファクトリーのサブリーダーとして活躍し、2021年6月からはソロアーティストとして活動している。
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