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UPDATE|2021/10/05

オールナイトニッポン元チーフD・石井玄が語るラジオ業界奮闘記「番組終了は僕の責任だと後悔」

石井玄 撮影・松山勇樹



――TBSラジオで始まった『アルコ&ピース D.C.GARAGE』にANNのスタッフが参画したのは当時驚きました。

石井 それも『アルコ&ピースのANN』が面白かった証明になっていますよね。TBSラジオの宮嵜さん(プロデューサー)がアルピーさんはもちろん、スタッフによる作り込みも評価してくれたんです。

――「ANNよりJUNKのほうが面白い」という認識が共有されていた時期もありましたが、この2、3年は「『オールナイトニッポン』って攻めてるな」という印象が強くなりました。

石井 当時は、ニッポン放送の局内にも「JUNKには勝つことはできない」という空気があったんです。僕がTBSラジオで仕事をするようになって、JUNKを担当している同世代のディレクターたちがめちゃくちゃ優秀だとわかって「このままじゃマズい」と思い始めて。それからニッポン放送は何を変えたらいいんだろうと考えるようになって、2年後にチーフディレクターになった時に実践したんです。JUNKは芸人の枠だけど、ANNは誰がしゃべったっていい。そこが勝てる要素のひとつじゃないかと。その時に始まったのが佐久間(宣行/元テレビ東京プロデューサー)さんのANN0だったんです。

――佐久間さんの丁寧に振って、キレイに落とすトークは、石井さんたちが助言したんですか?

石井 いや、始めからできてました。最初の特番で、佐久間さんが自分で考えて勝手にしゃべり出して、オチもしっかりあったので、「なんて面白い話をするおじさんなんだ」と思ったんです。普段テレビで、芸人さんのトークを自分で編集しているので、どう構成すれば面白くなるかわかってる。佐久間さんは、ひとつのトークをパッケージで話せる編集力の高さがあるんです。あとは、番組でもよく言ってるように、会議でトークを試してスタッフの反応を見ている(笑)。(後編へつづく)

【後半はこちら】オールナイトニッポン元チーフディレクター・石井玄が語る仕事論「今後は“外側”からラジオを盛り上げたい」

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