FOLLOW US

UPDATE|2021/09/01

ぎょうざの満洲、551HORAI…『秘密のケンミンSHOW』元リサーチャーが語るローカルチェーン驚異の経営術

ぎょうざの満洲/『強くてうまい! ローカル飲食チェーン』筆者撮影



ーーコロナであってもローカル飲食チェーンは比較的ダメージが少なかったと聞きます。

辰井 そもそも地方は東京ほどコロナが広がっていないのもありますが、福田パンの社長が「地元の方が守ってくれる」と語ったとおり、地元民が根強く買い支えました。大変なときでもやっぱりいつもの味が食べたい。それが地域にとってのスタンダード、ローカル飲食チェーンの強さかもしれません。

ーー経営の面などで、ローカル飲食チェーンに学ぶ点は多そうですね。本書で扱ったお店以外で印象に残っているところはありますか。

辰井 たとえば、げんこつハンバーグで有名な、静岡の「さわやか」。毎日その日のハンバーグを試食して、お店の前に味や香りなど、7項目の評価を5点満点で「ハンバーグ品質検査報告書」として掲示します。また、函館のハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」は会員制度が特殊です。最上位ポイント獲得者は「スーパースター団員」となり、店に来るなり「スーパースターの○○様ご来店です!」と歓待されるなど、いい意味で常連さんを贔屓しています。ハンバーガー店なのにとんかつやラーメンなどのオリジナル商品がある店舗も多いですよ。

ーーお客さんの承認欲求を高めてくれるんですね。最後に本書を通して伝えたいメッセージはありますか。

辰井 ローカル飲食チェーンは全国チェーンに比べて、メディアで紹介されることが少なくて。だから、本書をきっかけにもっと知ってほしいし、認知度を上げることでお店の助けにもなりたいです。見たこともない魅力的なメニューやサービスを味わえる、ローカル飲食チェーンは本当に楽しいですから。あ、ちなみに今回どのお店からも宣伝料などは一切いただいていないことも最後に言っておきたいです(笑)!

取材・文/沼澤典史(清談社)

▽『強くてうまい! ローカル飲食チェーン』(PHPビジネス新書)
著者 辰井裕紀
定価 1210円(10%税込)

RECOMMENDED おすすめの記事