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UPDATE|2020/04/03

処女のままデビュー、戸田真琴がAVの仕事を通して考えたこと

戸田真琴(撮影:松山勇樹)


私は今まで、暇だから恋愛しようとか、「何か好きかも」と思って勢いで誰かと付き合ってしまうようなことは経験がありません。自分の感情をきちんと精査していると、そういうことにはならない。普通に性欲はあるんですけど、性欲が理性よりも勝ることはほぼありません。なのでいわゆるワンナイトラブのような経験もありませんね。こういう仕事をしていたら、男性との性経験を積んでいたほうが役に立つとは思うんですけど、キャラ付けとかでもなんでもなく、こういうさっぱりとした生き方が性に合っていると感じています。

AV女優であっても、清純派として売り出していく女の子も多かったりします。私はたぶん幼く見えることを大事に売り出されていたので、身長が低いとか、顔が丸いとか、声が幼いとかっていう特徴を好きになってもらうことが多いです。

見た目にはコンプレックスもあるので、好きになってもらえて嬉しいと思ったのを覚えています。たまに中身も見た目のイメージにあって幼かったり無垢であったりしてほしいと強要してくる態度の人もいて、それには嫌気が差すこともありますが、単純に見た目が好きって言ってもらえることはうれしいです。

私の中では、私の見た目と中身は合致しているんですけど、ギャップがあると言われることも多いです。自分の持つイメージを押し付けすぎるのは、どんな場合においても良くないことです。私は人間活動において、どぎつい犯罪以外のことは多少なら大体OKだと思っているんですけど、これだけはやってはいけないと思っているのが、自分の願望によって他人を捻じ曲げようとすることです。

たやすく他人に願望を伝えられてしまうSNS上でも横行していることだと思いますし、それは本当は犯罪ぐらいダメなことなのではないでしょうか。誰かを捻じ曲げようとしないまま、自然なままで、好きあえる人間同士が仲良くすればいいんですよね。
戸田真琴
AUTHOR

猪口 貴裕


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