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UPDATE|2020/03/15

安倍首相の実弟、岸信夫議員が語る政治と家族(1)「子供の時から家庭にプライベートはなかった」

左から井上咲楽、岸信夫 撮影/松山勇樹 



井上 息子さんはテレビ局で記者をされていると聞きました。政治家になって欲しいなと思うことはありますか?

岸 それは本人の気持ちですから。親がどうこう言うことではありません。僕自身も政治一家に育って、40代になるまで一度も「政治家になりたい」と思わなかったですからね。

井上 間近にいる家族から見ると、政治の世界はやはり大変そうだからですか?

岸 うちの場合、祖父が政治家(第56・57代内閣総理大臣の岸信介氏)で、岸家の両親は政治家ではありませんでした。それでも私が小さい頃は祖父と同じ家で暮らしていましたから、一般的な家庭とは違う雰囲気がありました。

井上 というと?

岸 たとえば、朝起きると、家の中に知らない人がいっぱいいて、朝ごはんを食べているんですよ(笑)。

井上 え~!?

岸 信じられない環境かもしれないけど、それが普通のことでプライベートはない家庭だったんですよね。

井上 家の中に知らない人がいて、イヤだな~という感覚は?

岸 少しはあったかもしれないですね。でも、おじいちゃんは家の中では普通のとっても優しいおじいちゃんでしたから。一度、外に出るとなかなか戻ってこないことが、さびしかったのを覚えていますね。にぎやかなのは慣れるものです。

井上 そうなんですね。

岸 他を知らない小さい頃ですからね。その後、祖父が引っ越して別の家に住むようになってから、いわゆる普通の家庭環境になり、これもいいなと思いました。両方を経験してみて思うのは、政治家になるというのは本人にとっても大きな決断ですが、家族を巻き込む選択でもあるということ。だから、息子がどういう人生を歩むかは、自分で決めてもらいたい。そうじゃないと後悔することも多いですからね。

※インタビュー(2)「出馬そのものが義父との公約違反だった」はこちらから。

(文/佐口賢作)

▽井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。現在は『アッコにおまかせ』(TBS)などバラエティ番組を中心に活躍。
Twitter:@bling2sakura

▽岸信夫(きし・のぶお)
1959年4月1日生まれ、東京都出身。自由民主党所属の衆議院議員。住友商事を経て2004年の参議院選挙で初当選。2012年に衆議院議員に。外務副大臣などを歴任し、現在は衆議院議院運営委員会筆頭理事。
CREDIT

文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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