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UPDATE|2020/01/29

自伝的マンガが映画化! 劔樹人が妻・犬山紙子と語る“ハロプロファン夫婦”円満の秘訣

左から犬山紙子、劔樹人 撮影/会田秀人



──ハロプロは泣ける存在ですか?

劔 泣けますね。特に道重さん関係はヤバくて、誰かが道重さんについて話しているだけで泣けてくるんです。

犬山 基本にあるのは「頑張っている、努力している女の子の尊さ」っていう心情?

劔 それもあるかもだけど、自分の人生を重ね合わせちゃうんだろうね。道重さんの背後に、いろんなものが見えてくるんです。亡くなった友人だとか、当時は仲よくしていたけど今は何をしているのか分からない知り合いとか……。それから大阪で過ごしていた自分。「この十何年、自分が生きてきた20代・30代とは何だったんだろう?」ってどうしても考えちゃう。その当時に連れ戻されるというか……。道重さんって、僕にとっては非常にスピリチュアルな存在なんです。

──コンサートのあとは、居酒屋で感想戦や反省会もするんですか?

犬山 もちろんしますね。他のメンバーも合流して話し合うことが多いかな。

劔 鞘師(里保)さん卒業のときは、さすがにお通夜みたいになっていたな。

犬山 「なんとか我々で引き留められないか?」っていう話になったんですよ。そんなの、できるわけないのに(笑)。

劔 「お前のせいで鞘師は辞めたんだ!」みたいな口論にも発展しましたから。そのときは朝井リョウさんも一緒だったんですけどね。朝井さん、「TRIANGLE―トライアングル―」というモーニング娘。の舞台を観にいったんです。その舞台で鞘師さんは男役をやったんですけど、鞘師さん自身はそれが恥ずかしかったらしいんですね。だから朝井さんも鞘師さんを直視できず、目を伏せていたそうなんです。それを聞いて、みんなからはもう非難轟々。「そういう態度が、鞘師ちゃんを傷つけたんだ!」って(笑)。

──ハロプロ現場に女子ファンが増えたのは、どうしてだと思います?

犬山 私の場合、まずメンバーに対する尊敬の気持ちが根底にあるんです。歌えて、ダンスも上手くて、カッコいいという憧れの感情ですよね。あと大きいのは、女の子をただの商品として見ていないことですよね。そこは同性から見ていても、すごく安心できるところ。歌詞にしたって、すごく女性の立場に寄り添っていますからね。『女が目立って なぜイケナイ』とか。すごく共感できるし、教科書に載せるべきだと思いますよ。

──なるほど(笑)。

犬山 ハロプロを観ると、女子中学生の気持ちに一気に戻っていく。「あの先輩、カッコいいな」って思う13歳くらいの感覚です。「くすぶっていた青春を取り戻す」っていう部分は少なからずあるんじゃないかな。私自身は部活にも入っていなかったし、ダンスが上手い子を素直にカッコいいと言えるような文化圏で育っていなかった。今、ハロプロで青春をやり直しているようなものかな。だから憧れの先輩たちを見ると……泣けてきちゃうんです。

CREDIT

取材・文/小野田衛 撮影/会田秀人


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