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UPDATE|2024/06/20

コント師・や団が抱えるジレンマ「トークバラエティが難しい、『ラヴィット!』でボケが全カット」

や団 撮影/松山勇樹

『キングオブコント』(TBS系)、二年連続ファイナリスト。練りに練られた世界観と端々から漂う狂気性が、笑い好きの心を掴んで離さない、気鋭のコントトリオ・や団。6月21、22日の二日間三公演に渡り、座・高円寺2にて開催される単独ライブ「3度目の高円寺」は、全席ほぼ完売と、その勢いを感じさせる。近年はネタ番組への出演から、個々での仕事も増え、大ブレイク間近!の様相を呈しているが、当の彼らには不安が付きまとっているという。果たして今のや団には何が足りないのか……?話をうかがった(前後編の前編)。

【写真】気鋭のコントトリオ・や団

──昨年の単独公演、「高円寺リベンジ」は、公演名に“リベンジ”と銘打っているように、一昨年単独がチケット完売できなかったことへの再挑戦でした。

本間キッド(以下:本間) そうですね。一昨年は250席に対して、最終的に関係者を招待しても半分以下しか埋まらなくて。なんとかあの悔しさを晴らしたくて去年同会場で開催したところ、見事即完売で。

──まさに「高円寺リベンジ」は、『キングオブコント2022』の3位という結果の勢いをそのまま持ってきた結果に。そして今年開催の単独「3度目の高円寺」も現在、ほぼ完売状態。しかも今年は二日間、計三公演。や団が気鋭のコント師としての立ち位置を確立した証拠ですね。

本間 いやいやいや!ちょっとねえ……まだなんですよ。

中嶋享(以下:中嶋) 本間さんが「まだ」と言ったら、まだということですね。

ロングサイズ伊藤(以下:伊藤) そうだね。本間がそうだと言ったら、そういうことなんでしょう。

中嶋 危なかったね、俺たちから話し始めたら、「ありがとうございます!」って素直に受け取った可能性あるから。

──アハハ!前回のキングオブコントは惜しくも5位ではありつつ、2年連続ファイナリスト。しかも『ネタパレ』(フジテレビ系)などのネタ番組でも重宝されていますが、それでも足りない?

中嶋 去年から今はキープの状況です。2022年の3位の勢いを、ギリギリ保っている。なんならやや右肩下がりぐらいで。知名度もさほど上がったわけではなくて。

本間 ネタに関しては嬉しいことにすごく評価していただいて、ありがたいことにネタ番組に呼んでいただけるようになりましたが、それ以外のトーク系バラエティの露出が少ないんです。そこが、まだ「知る人ぞ知る」の域を脱しきれない、大きな要因になっているのかなあって。

中嶋 営業で一緒に行くメンツが賞レースのチャンピオンばかりで。そのときは色々痛感させられます。

本間 僕らは地方営業に行くと、一部と二部の間によく街を散歩していて。この前は、お見送り芸人しんいちと一緒に歩いていたところ、しんいちは街で会う人たちに「写真撮ってください!」となるんですが、僕らはなくて。結局、しんいちのマネージャー代わりとして、対応する係をやっています。

中嶋 ロングさんはボディガード兼、写真撮影係やったりしてね。

伊藤 「シャッター押しましょうか」とやったり、全員に対応するとキリがないから、「はい、ここまでね」と区切ったりと、ヒール役までやっていますよ(笑)。

──人が良すぎる!
  
AUTHOR

田口 俊輔


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