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UPDATE|2024/03/06

武藤彩未、活動休止を経て見つけた“歌い続ける理由”「歌がなくなったらもう私の人生じゃない」

武藤彩未 撮影/荻原大志、ヘアメイク/Ken Nagasaka

アイドルグループ・さくら学院の初代生徒会長であり、現在はソロ歌手として活躍する武藤彩未。3月12日には、ファン待望のファースト写真集『最初で最後』(ワニブックス)を発売する彼女に、今までのキャリアの総括と、歌い続ける理由を聞いた。

【写真】ソロデビュー10周年、武藤彩未の撮りおろしカット【4点】

──今回、ソロデビュー10周年を機に初の写真集を出しましたが、振り返ってみるとどんな10年でしたか?

武藤 確かにソロになってからは10年ですけど、実際はその前からお仕事はしていたわけで、そこらへんでちょっと悩むこともありましたね。というのも小さい頃からこの世界しか知らなかったので、ほかの世界も知りたいという気持ちが強くなったんです。そして一度、冷静に自分を見つめ直したかった。そこで芸能活動を休止することにしたんです。

──活動休止を発表したのが2015年末。活動を再開させたのは3年後の2018年でした。キャリアの中でも大きなターニングポイントだったことは間違いありません。

武藤 ほかの世界も見てみたいと考え、海外留学をしていました。グループをやって、ソロでもやって……当時、自分としてはやり切ったかなという思いがあったんですよ。お仕事自体はもちろん楽しかったんですけど、だんだん義務感みたいなものが強くなってきてしまっていて……。

自分のやりたいことを表現するというよりは、求められる私を演じるというプレッシャー。言い方を変えると、自分のやりたいことを伝える余裕も能力もなかったんだと思う。与えられたことをただこなしていくみたいな感覚があって、それをずっと続けていく自信がなくなっていたんです。

──当時、まだ19歳でしたよね。企業に就職するなり、大学で勉強するなり、いろんな選択肢があったと思います。海外留学を決めたのは?

武藤 大学は行きたかったんですけど、やっぱり芸能活動をしながらだと難しい部分があったんですよね。活動休止中はどこかで働くよりも、なにかを学ぶ時間にしたくて。昔から英語を勉強するのは好きだったので、ニュージーランドに留学することに決めました。

──向こうでの生活は、どんな感じだったんですか?

武藤 海外だと知り合いもいないし、全部を自分でやるしかない。だから行動力は本当に身についたと思います。最初の3ヶ月くらいは全然しゃべれなかったので、ジェスチャーとか単語だけで必死に伝えるしかなくて、もう本当に地獄みたいな毎日でした(笑)。

それと同時に、今までどれだけ恵まれた環境にいたのか思い知らされましたね。それこそ小学生の頃から周りがいろいろ用意して、決めてくれていたわけですから。そういえば、向こうでは生まれて初めてアルバイトもしたんですよ。パン屋さんで朝3時くらいに起きて、お店でパンを焼き、午後から学校に行っていました。

でも最終的に向こうでは友達もたくさんできたし、ホームステイ先の家族が本当に温かい方たちで、今でも第2の父と母だと考えています。いまだに連絡も取っていますしね。

AUTHOR

小野田 衛

CREDIT

撮影/荻原大志、ヘアメイク/Ken Nagasaka


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