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UPDATE|2024/01/15

レースクイーン400人の頂点・藤井マリー「半年前まで化粧品会社社員…始めた当初はカルチャーショック」

藤井マリー 撮影/荻原大志



野球やフィギュアスケートなど、小さい頃からスポーツ観戦が大好きだった。それだけに自身がレースクイーンになると、モータースポーツの奥深い魅力に引き込まれていく。「この競技の面白さを伝えたい」という想いが、藤井にとって最大のモチベーションだった。

「たとえば野球やバスケにもチアリーダーはいますよね。フィールドでお客さんを盛り上げる立派な職業だと私も思います。ただレースクイーンの場合、もっと競技者との距離近いんですよ。本当に限られた人しか入れないピットにいるし、最初から最後までレースに出ているし、マシーンを迎え入れるのも私たちの役目だし……。すごくチームの一員になっている感じがするんですよ。さらに言うと、サーキットでの熱い戦いとファンの盛り上がりを繋いで、一体感を演出するのもレースクイーンの大事な役割。スポークスマン的な要素が強いのかもしれない」

こうした藤井の真摯な想いが結実したのが、「レースクイーン・オブ・ザ・イヤー 22-23」受賞だった。トロフィーを受け取った瞬間は「喜びもあったけど、それよりも責任感を持たないといけないと気が引き締まった」とのこと。400人いるレースクイーンの頂点に立つ以上、生半可な真似はできないというのだ。

「その気持ちは、レースクイーンを卒業してからも変わらないです。藤井マリーとして活動していく限り、レースクイーン出身という事実は変わらないし、私もそこを誇りに思っていますから。レースクイーンをステップアップの手段として考える子も、昭和や平成の時代はいたかもしれません。

でも、令和時代のレースクイーンはなりたくてなっている子ばかり。少なくてもトップにいるレースクイーンは、みんな信念を持ってやっていますよ。SNSで発信する機会も多いので、レースに関する知識も求められますしね」

藤井の指摘通り、求められるレースクイーン像が変わっているのは事実だろう。キャリア7年目になるが、後輩と話していると、志の高さやビジョンの明確さに頼もしさを感じることが多いという。

「これなら自分がいなくても大丈夫。いや、むしろいなくなったら枠が空いて後輩たちのチャンスが広がるなってことに気づいたので、次のステップに進む決心がついたんです。レースクイーンの藤井マリーを応援してくれていた方には、ここから今まで見せてこなかった新しい面をお見せしたいです。そして新たに私を知ってくれる方に向けては、引き続きモータースポーツの魅力をお伝えしていきたい。たとえレースクイーンを卒業しても、モータースポーツ愛は絶対に変わりませんから」

今後については「女優業や執筆業などにも挑戦してみたい」と前向きに語る藤井。もちろんグラビア活動も引き続き積極的に行う予定なので、魅惑のトラグラボディを見る機会はさらに増えそうだ。

(取材・文/小野田衛)
AUTHOR

小野田 衛

CREDIT

撮影/荻原大志


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