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UPDATE|2023/11/28

『セクシー田中さん』が描く“双方向”のシスターフッド、対人関係に悩む人こそ観てほしいドラマ

『セクシー田中さん』(日本テレビ)公式サイトより


物語が進み、その変化が見られるようになり、より踏み込んだ人間関係が描かれるようになってきたのである。恋愛経験のない田中が、男性との人間関係を倉橋に相談するように。また、倉橋も若くてかわいらしく、いつも愛想笑いをしている状態から、田中の前では自分の弱みを見せるようになっていた。

2023年7月クールでも同じようにシスターフッドをメインテーマに掲げたドラマがあった。深田恭子と福原遥が主演を務めたドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(TBS)だ。仲川有栖(福原)が、大学生ながら1児の母親になり、それを全面的に支援する成瀬塔子(深田)という構図が大きな軸としてあった。しかしそれだけではなかった。40歳に差し掛かり、結婚や子どもの存在を考えるなかで恋愛に前向きになれない塔子の背中を押したのは有栖だったのだ。

シスターフッドは、やはり一方向の気持ちでは成り立たず、お互いに支え合い、良い影響を与え合える存在こその連帯意識だ。年齢が違う相手、こと他人においては、上司と部下、先生と生徒のような関係性になってしまい、配慮に欠けた言動を受け苦い思いをした経験が誰しもあるだろう。

しかしドラマを通して、年齢や生まれ育った環境、今自分が置かれている状況が違っていても、思いやりをもって支え合える存在がいることがわかる。これは視聴する多くの人にとっても吉報であり、学ぶべきことも多いだろう。友達とも、実際の姉妹とも違うが、自分の労力や時間を捧げても良いと思える相手がいることはかけがえのないことだと知らせてくれる。

『セクシー田中さん』では、ドラマ最終回まで仕事や恋、将来に悩みながらも前に進もうとする田中と倉橋の深い人間関係が見られるであろう。人との関わり方や距離感に疑問を持つ人こそ観るべき作品だ。

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AUTHOR

鳥羽 竜世


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