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UPDATE|2023/11/22

【独占】Breaking Down “濱の狂犬”黒石高大、異色のアウトロー俳優が闘い続ける理由

撮影/たむらとも

1分間最強を決める格闘技大会「Breaking Down 10」に参戦する黒石高大(37)が、試合直前の本音を激白した。黒石は前田日明主催の不良格闘技大会「THE OUTSIDER」で頭角を現すと、その後は俳優業に軸足をシフト。現在はアウトロー系映画やVシネマを中心にしつつ、子供向け番組や時代劇などでもマルチに活躍している。

【写真】緊張感を漂わせながらBreakingDownについて語る黒石高大【7点】

「今さら若い子たちと同じテンションで『おい、コラ!』『てめぇ、さらうぞ!』なんて煽る真似はできないですよ。そこは自分らが散々通ってきた道。でも同じことをいつまでもやっていたら、ただのバカですから。でも若い子は若い子で、みんな頑張っていると俺は思うな」

 黒石は、かつて因縁が生じたこめおに対しても「アンチが山のようにいると同時に、応援してくれる人も少なからずいる」と分析し、「顔もカッコいいし、人を惹きつけるオーラがある」と賛辞を送る。Breaking Downの場で目立つことができる人間は、やはりそれなりの理由があるのだと断言する。

「不良が集まる大会なんだから、出てくる奴らが噛みついてくるのは正しい姿。『黒石も日和ったな』と言われても、そこに反論する気はありません。でも視聴者目線で大会全体を見ると、1から10までワーギャー暴れるだけでは単調すぎますよね。一本の映画、ひとつの作品として成立しないと思う。

 イカつい奴らがあれだけ集まれば、揉めごとが起こるのは当たり前です。そこで相手に説得してもらうために、どうやって心を込めて話すか? どうやって男として筋を通すか? そういうところを俺は見せていきたいんですよ。騒ぎながらイキがるだけじゃく、座って話しながら相手をきちんと説得させることも大事なんだよって」

THE OUTSIDERに参戦していた頃の黒石はイケイケだった。試合開始のゴングが鳴る前に相手へ頭突きを喰らわせたこともある。そして黒石が敗れると、義憤に駆られた後輩たちがリングになだれ込み、そのまま乱闘騒ぎになったこともある。

「もともと俺は暴力だけで生きてきた人間。おもいっきり暴れて、目立って、悪さして……。その調子のまま成り上がろうとしていたんです。だけど、あるときハッとしたんですよ。ステージが上がってくると、腕力で解決できる問題なんてなくなるんだなって。

 芸能界なんて暴力を出した瞬間、一発でサヨナラ。それは他の職種だって同じでしょう。ヤクザですら、暴力だけじゃ上に立つこともできませんから。自分が愚連隊だなんだとバカやっていた頃も、下っ端だったときは好き放題に暴れていたんです。でもリーダーになると、自分を抑えなくちゃいけない場面が徐々に増えていったんですよね」

 黒石がこうした地に足の着いた考え至ったのは、大人になって社会性を身につけたからだろう。それは他のTHE OUTSIDER勢も同じこと。「吉永(啓之輔)くんにしたって萩原(裕介)くんにしたって、若い子を育てている立場。急にキャンキャンと吠えろって言われても無理ですよ」と黒石は苦笑いを浮かべる。
AUTHOR

小野田 衛


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