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UPDATE|2023/11/08

22/7が結成6周年ライブを笑顔で完走、次なる“夢”は「大きく目指そうよ、東京ドーム!」

写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ



『ロマンスの積み木』で色香漂うムーディな一面を見せたかと思えば、『絶望の花』では退廃した終末の世界にそっと佇み、ドラマチックな楽曲がこのカフェの色をさまざまに変えていく中で、メンバーたちはひたすらに歌い踊り続け、極限を超えていく。

『理解者』での「それならここから出ていけばいい」という天城の叫び、相川奈央の穏やかさの中に凄みが光る「誰が僕の理解者だ?」という問い。カフェの扉は、その葛藤のままにバタンバタンと開けて閉めてを繰り返す。そして到達したのは、焦燥と虚無の間でもがき、生きることの意味を探す22/7にしか表現できないであろう2曲だ。

全身全霊の激情に揺さぶられた『命の続き』、アウトロのエモーショナルなフリーダンスが見どころとなる『とんぼの気持ち』では、かつて一人途方に暮れていた西條が望月と手を取って踊る様に、グループの“今”が映っていた。

のちの挨拶で、そのフリーダンスをずっと苦手としていた涼花萌が、カフェの設定を利用してティーパーティーを模したポージングで、「公式お茶会」を開けたと喜ぶ場面も愛らしかった。

どうにかこうにか営業を終え、掃除を始めるメンバーたち。「6年も続くやなんて思ってなかったなあ、いろいろあったねえ……」という涼花の感慨を受け、天城は涙に声を震わせながらメンバーたちを見回して言った。「正直、“クローズ”したほうが幸せなんじゃないかなと思ったときもあったけど……でも、ここまでやってきて本当に良かった。私もみんなとやっているこのカフェが大好きだから、7年目も8年目も、これからもずっとよろしくね!」。

そうして掛かる、デビュー曲『僕は存在していなかった』。披露されるそのときどきで違う色を感じさせる楽曲だが、この日、目を潤ませるほどに眩しく感じられたのは揃いの白いエプロンのせいでもないだろう。『君は Moon』の歌い出しを担った椎名の歌声は、夜の静けさに差し込む月明かりのごとく心を癒やす。

本編ラストを飾るのは、後輩メンバーたちのデビュー曲『曇り空の向こうは晴れている』だった。ダンス強者である相川と月城が立ち並んだシンメトリーはこの上なく頼もしく、目に焼き付く。「今はこのままでいいから」という西條の思いが他者への包容力を持って響くことに驚かされるとともに、卒業したメンバーから「希望ちゃん」の名で呼ばれた望月の必殺のセリフが力強く轟いた。

CREDIT

文/キツカワトモ


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