FOLLOW US

UPDATE|2023/08/20

ケイト・ロータスの格闘技半生「誰にも勝てない、顔だけと言われるのが辛い」を救った母の言葉

撮影/松山勇樹


練習環境の変化もあり、MMAを始めた3年前に比べると格段に自分の実力が上がっていることを実感している。特に打撃は距離感、スピード、パウンド、ディフェンス力など全方位がレベルアップしていると周囲も認めるほどで、昔の自分の試合映像を観ると下手すぎていたたまれなくなるそうだ。

「やっぱり格闘技で大事なのは精神力だと思うんですよね。たとえばRIZINに出ている本当のトップ選手なんて、技術的にはほとんど差がないと思うんです。どこで差が出るかといえば、自分のやらなくてはいけないことを実際に試合できるかどうか。そのへんはメンタルの領域に関わってきますから。そこで精神的にブレないのが星花さん。だから強いんです。

 私自身はDEEP JEWELSで勝ったり負けたりの成績ですけど、やられるのはいつもレスラーや柔術の選手。『タックルに来られたら、どうしよう?』と不安な気持ちの中で試合していたら、成績的にも伸び悩んでしまった。だから自分の武器である打撃を磨いて、もっと自分自身を信頼できるようになりたいです」

 RIZINに出場したいという気持ちはある。だが、話題作りのためのエンタメ枠では出たくない。そのためには現在の主戦場であるDEEP JEWELSで勝ち続けるしかない。伊澤星花のように誰もが認める本格派の選手になりたいのだ。

「息抜きですか? う~ん、オフの日に飼っているワンコをドッグランに連れていくことくらいかな。格闘技を始めてから好きだったお酒も飲まなくなったし、今はプロテインばかり飲んでいます(笑)。というか、友達と旅行することすらなくなったんですよ。正直、今は遊んでいる暇とかないですから。毎日、午前と夜に練習して、その合間に整骨院さんで身体のケアをするようなスケジュールですかね。恋愛も結婚も今は後回し。今は自分のやりたいことが明確に存在しているわけです。それはとにかく格闘技で強くなること。それ以外のことはどうでもいいですね」

 蓮の花のように、泥水をすすってでも美しく咲き誇りたいと前を見据えるケイト。その真価が本格的に問われるのは、これからとなる。

▼9月10日のDEEP JEWELS 42(東京・ニューピアホール)で須田萌里選手と対戦。

【あわせて読む】美女戦士ケイト・ロータスが格闘家になった理由「遊びばかり生活を見直すきっかけは母の病」
AUTHOR

小野田 衛


RECOMMENDED おすすめの記事