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UPDATE|2023/08/12

人間関係が苦手でトラック運転手に、SNSで話題のトラックめいめい「運送業は人間本来の姿」

写真/本人提供


 トラックめいめいは北海道出身である。だが若いうちから東京に出て、広い世界を見てみたいという希望を持っていた。入社した運送会社は、札幌にも支社を持つ東京の企業。トラックめいめいも面接こそ札幌で受けたものの、東京の社宅に住みながら仕事の基本を覚えていく。

「ドライバーは100人くらいいたけど、女は私1人だけだったんですよ。というか、会社にとっても初めての女性ドライバーが私でした。業界全体でも女性ドライバーの比率は3%くらいと言われているから、まだまだ男社会なんです。でもそれで苦労したということはあまりなくて、むしろ先輩たちからお菓子をもらえたり、ちょっとしたアイドル扱いでした(笑)。ボロ雑巾みたいになることも覚悟していたので、そこはうれしい誤算だったかもしれない。

 そこからずっと運送業でやっているわけだから、結局、自分に向いていたんでしょうね。もともと握力とかは他の女の子よりも強かったですし。あとは与えられたミッションを最短で終わらせるときの達成感が気持ちよくて、汗をかいたあとの食事も最高に美味しい。朝が早いことも含め、人間本来の姿だなという気がしたんです」

 トラックめいめいの業務は長距離ドライバーというより、近場で数多くの荷物を届ける内容だった。佐川急便やヤマト運輸など、宅配業者のイメージに近いのかもしれない。秋葉原を中心として、1日60件ばかりの業務を粛々とこなしていくうちに、汗が滝のように流れてくる。顧客のマンションにエレベーターがついていないことも日常茶飯事。荷物には重いものも多く、ときには工場現場宛ての一斗缶やドラム缶なども含まれている。トラックめいめいの上腕二頭筋は、みるみる太くなっていった。

「入社するまでは普通免許も持っていなかったから、最初の段階で準中型免許を取ったんですよ。2トン車を運転できるやつですね。18歳で取れるのは準中型までなので(※当時)。会社の紹介によって山形で4ヶ月くらい研修して、そこで運転の基本からトラックの点検方法まで全部学びました。山形ではついでにフォークリフトの資格もゲットしましたね」

 その後も20歳になると、4トン車を運転できる中型免許と牽引免許を取得。21歳で大型免許を取得した。現在、大型免許は19歳から取得できるが、その当時は21歳からだった。ちなみに大型免許を取ると、バス、トラック、ダンプカー、タンクローリーなどが運転できるようになる。
AUTHOR

小野田 衛


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