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UPDATE|2023/08/07

“胸糞悪い”がクセになる、1話完結SFドラマ『ブラック・ミラー』でおすすめしたいエピソード5選

Netflixシリーズ『ブラック・ミラー』シーズン3「ランク社会」独占配信中

決して後味は良くない。もっと言えば“胸糞悪い”とさえ表現できるかもしれない。だが、それでも『ブラック・ミラー』はどこかクセになる作品だ。

【写真】後味の悪さがクセになる『ブラック・ミラー』の場面カット

1話完結のオムニバス形式で見られるイギリスのドラマ作品だが、『Netflix』が2015年に番組を購入してから日本でも知られるように。SF作品でありながら、ダークに描き、現代を風刺して視聴者に考えるきっかけを与えてくれる。ときには近未来が舞台となり、「本当にこうなってしまうのではないか」という恐怖さえもたらす。

だが、その物語性は専門家の間でも高い評価を受けており、過去にはアメリカのプライムタイム・エミー賞なども受賞。今回は、その中でも特におすすめしたいエピソード5つを紹介していきたい。

まず挙げたいのがエピソード1として配信されている「国家(シーズン1)」。イギリス政府を相手取った犯人が王室の娘を誘拐し、首相を相手に様々な要求をしていくというストーリーだ。その“要求”の過激さで視聴者を引き付けつつ、国民の反応をシニカルに描くという物語は、そのまま『ブラック・ミラー』のダークさ加減を表現している。正直に言えば、オチを見て気持ちいい気分にはならないかもしれないが、考えさせられることは間違いない。

2つ目に挙げたい「人生の軌跡のすべて(シーズン1)」も『ブラック・ミラー』らしさ全開であるが、こちらは近未来が舞台でよりSF色が強い作品だ。人類に記憶チップが埋め込まれ、記憶を管理し、互いに共有することができるようになっている。だが、それゆえに隠したい秘密もつまびらかにされ、登場人物たちは男女間の恋愛で疑心暗鬼となっていく。ある種、非現実的な世界でありながら、「このテクノロジーがあればそうなるよな」という必然性を感じることができる良質な作品だ。

シーズン3のエピソード1である「ランク社会」はより現代に対して風刺的な作品に仕上がっている。この世界では、人々がすべて数値によってランキング化されており、SNSでそのランクを上げようと躍起になる。評価によって受けられるサービスも変わるため、「映え」を必要以上に気にしなければならない。まさに現代のSNS文化を風刺しており、「言いたいことも言えなくなっているのではないか?」と作品を通して突きつけてる。だからこそ、結末は痛快で、『ブラック・ミラー』らしくありながら、気持ちよく見終えることができる作品だ。
AUTHOR

まっつ


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