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UPDATE|2023/07/12

宮藤官九郎✕松坂桃李『離婚しようよ』が大ヒット、ポジティブゆえに考えさせられる離婚の新たな一面

Netflixシリーズ『離婚しようよ』独占配信中

Netflixで配信中のドラマ『離婚しようよ』が大ヒット中だ。先日には、Netflixの「今日のTV番組」では国内で連続して1位を獲得し、週間の全世界ランキングではトップ10に入り、話題を集めている。

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同作品は宮藤官九郎と大石静が脚本を担当し、松坂桃李が主演。次々と問題を引き起こす3世議員・東海林大志を演じ、その妻で国民的女優・黒澤ゆい役を仲里依紗が務めている。2人は結婚5年目の夫婦で世間体のためにおしどり夫婦を演じているが、実際は動画撮影のときくらいしかまともに会話をしないほど冷めきった関係に。ともに離婚を望んでいるものの、2人の結婚により得をする権力者が大勢いるため、すぐには別れられず離婚へ向けて突き進んでいくコメディ作品となっている。(※以下、多少のネタバレを含みます)

近年、離婚を扱ってヒットしているドラマは数多い。『最高の離婚(2013年)』、『リコカツ(2021年)』、『あなたがしてくれなくても(2023年)』などが挙げられるが、これらと『離婚しようよ』が異なるのは明確に離婚を目指していることだ。上記の3作品はやり直すのかどうなのかというところで視聴者を引き付けていたが、『離婚しようよ』は一貫して離婚に突き進み、その過程をコメディタッチで楽しむことができる。

また、同作品はTBS制作だが、いい意味で「Netflixっぽくない」作品となっている。Netflixの作品といえば『サンクチュアリ』や『今際の国のアリス』など一目でスケールや費やした金額の大きさに驚かされるが、『離婚しようよ』はそれとは一線を画す。

ドメスティックな離婚というテーマの中で地方選挙や芸能界でのスキャンダルにスポットライトを当て、最後までポップに作品をまとめている。重厚な作品ではない代わりに全9話・約60分というボリュームの大きさを感じさせず、すっと見進めることができる。

主役である大志の成長物語として見ても興味深い。松坂演じる新人議員は不倫がバレても開き直り、選挙の応援演説で候補者の名前をはぐらかすなど、傍目から見ても明らかなダメ男。だが一方で、芯の強さもあり、離婚という問題に立ち向かっていくうちに議員としても成長していく姿が描かる。

どうしようもない新人議員だったはずの大志が一生懸命に選挙活動を行っていき、もちろんこれまでの不祥事が帳消しになるわけではないのだが、なぜだか応援したくなってしまう不思議な魅力を持っている。
AUTHOR

まっつ


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