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UPDATE|2023/07/18

モーニング娘。小田さくら、理不尽さへ怒る基準は「耐えることがグループのためかどうか」

小田さくら 撮影/田中健児

モーニング娘。’23の小田さくらが、猫とともに過ごしてきた24年間について語ったフォトエッセイ『さくらと猫』を7月18日に発売した。猫との暮らしがベースになった、彼女の人との関わり方や後輩への教育方針について聞いた。

【写真】高いプロ意識を見せた、小田さくらの撮りおろしカット【10点】

──小田さんは先輩とも後輩ともうまく付き合っていて、俯瞰から物を見ているイメージがあるのですが、そこと猫を飼っていることの関係はあると思いますか?

小田 私自身がそうなのかははっきりわからないんですけど、他人の気まぐれに対して優しかったりする兄を見ていると、私にも猫と育った影響は出ているんじゃないかなと思いますね。そもそもの性格もあるかもしれないですけど、兄はすごく理不尽なことにも対応できるだろうし。

──小田さんは理不尽なことに怒ったりしますか?

小田 大人になってからは「これに耐えることがグループのためかどうか」という話になってくるので、「この理不尽を飲み込むことでモーニング娘。が雑に扱われてしまうかもしれない」と思ったら「これは変だ」と人に言ったりすることは増えたけど、基本的には「そういう人もいるよな」「自分はこういう思いを人にさせたくないな」と思って終わることが多いです。

──そこで怒らないのは、怒っても仕方がない猫たちと一緒に過ごしてきたからなんでしょうか。

小田 そうですね。猫だったら、何をしてもこっちが悪いじゃないですか。だからまず自分が何をしたかを考える癖はあります。人とうまくいかないことがあったときも、「あの人ひどい」じゃなくて「何をしたからこういうことを言われてしまったんだろう」と考えることが多いのは、もしかしたらそういう思考の流れが癖付いているのかもしれないです。

──信頼関係を築く中で、人でも猫でもなかなか心を開いてくれないことがあると思うのですが、小田さんだったらどう近づきますか?

小田 その人にとって空気のようになって、いてもいなくても変わらない人になるように努めることが多いかもしれない。例えば、好かれたい人がそばにいる場合って多分気を遣うじゃないですか。だから好かれようとも嫌われようともせず、「小田さんがいても何も気にしなくていいな」という存在になるんです。ただ遊びに行きたい、お話したい、趣味が一緒だから共有したいだけなら好かれに行くかもしれないけど、心から分かり合いたいと思った子には何も言わないで、なんとなく近い席にただ座ってみたりします。

猫に対してもそうです。心を開かない猫に対してはちょっと距離を置いて隣に座ってスマホをいじって、でも触りはしないみたいなことをします。無言で、ただなんとなく近くにいる人になるんですよ。

「あ、大丈夫なんだろうな」と思ってくれるのを感じたら、人に対してはまず頼ること。自分が不安に思っていることや「これって◯◯だっけ?」「何時からだっけ?」と簡単なことを聞いたりしますね。猫の場合は手の甲とかを出して自分の匂いを嗅がせて、猫が手に顔をこすりつけてこない限りは触らないです。

CREDIT

取材・文/東海林その子 撮影/田中健児


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