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UPDATE|2023/07/13

映画『忌怪島』で再注目…清水崇監督の傑作ホラー『呪怨』は何が凄かったのか?

左から『呪怨』、『忌怪島/きかいじま』

現在公開中のホラー映画『忌怪島/きかいじま』は、「恐怖の村」シリーズに続く清水崇監督の最新作。清水監督といえば、ジャパニーズホラーの名作『呪怨』のメガホンを取った人物としてもお馴染みだ。公開から20年以上経過した今もなお、その恐怖は脈々と語り継がれているが、果たして『呪怨』は他のJホラーと何が違ったのだろうか。

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同作は劇場版のイメージが強いものの、もともとはJホラー黎明期にVシネマとして登場した作品である。あまりの恐ろしさから口コミで瞬く間に話題となり、やがて劇場版『呪怨』と『呪怨2』が制作された。

物語の舞台は、かつて陰惨な殺人事件が起きたとある一軒家。家を訪れた人々を、現世に深い呪いを残した伽椰子が呪い殺していくという、オムニバス形式のホラー作品だ。

同じくJホラーの金字塔と名高い『リング』を振り返ってみると、怪奇の元凶である貞子の登場シーンは要所にしかない。しかし『呪怨』では伽椰子や彼女の息子・俊雄の見せ場がかなり多く用意されており、もはや幽霊というより神出鬼没なモンスターばりに画面内を暴れ回る。

仮に『リング』の貞子を「静」と例えるならば、『呪怨』の伽椰子は「動」。相手を呪い殺すために率先して行動していくタイプの霊と言えるだろう。

従来のホラー映画はいつ幽霊が出てくるかわからない怖さが観客を支配していたが、『呪怨』はその真逆を行く。清水監督もそれをわかっていながらあえて“幽霊を出しまくる”ことに重きを置いていたようで、そういった意味でも同作は今までのJホラーの常識を覆した作品といっても過言ではないのだ。


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