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UPDATE|2023/07/08

セクシー男優しみけんが宮藤官九郎脚本映画で役者初挑戦「岡田将生さんは優しいスーパーお兄さん」

しみけん 撮影/たむらとも



クランクインまでにセリフを頭に叩き込み、万全の状態で臨んだが、初めての映画撮影では勝手が違った。

「知人の俳優さんが『あまり感情を入れないで、真っ白の状態でセリフを覚えてくれ』とアドバイスされたので、寝言でもしゃべれるぐらいセリフを覚えて現場に行ったんです。でも、『ヨーイスタート!』ってなったら、緊張で全部飛ぶんですよね。そんな僕を見て、片山友希さんが積極的に話しかけてくれたのがありがたかったです。

あと舞台が京都なので、台本の時点ではミツルも京都弁だったんですけど、それだとギャル男っぽくないということで、標準語に変更になったのは助かりました。とはいえ苦戦するシーンも多くて……特にハジメが出したコンドームを奪うシーンがあるんですが、『お義兄さん!』と言いながら奪うタイミングがなかなか合わず、何回かリテイクしてしまいました」

現場では度々、山下監督の演出や観察眼に圧倒された。

「緊張感がある中にも、皆さん生き生きしていて、『これが山下監督の現場か……』と山下監督の偉大さを感じましたし、登場人物のすべての行動に深い意味があって、観察眼がすごい人だなと。コンドームを奪うシーンも、監督がやると自然なのですが、僕がやると違和感があるんです。その自然な空気感を作れる演出ができる山下監督は本当にすごいなと思いました」

岡田将生の人間力にも助けられた。

「岡田さんは笑顔が素敵で優しいスーパーお兄さんです! 休憩中に食べ物や車の話をしてくれたので、すぐに打ち解けることができました。岡田さんと片山さんのおかげで、3人の中に家族感、仲間感ができたように思います。お二人の姿を見て、僕も初心に帰るというか、本業でも初めての女優さんに対して、より優しくしようと襟を正しました」

完成した作品を試写で観てたときは、クオリティーの高さに圧倒された。

「台本を読んだときに、僕が頭の中で想い描いていた絵とは比べ物にならないほどクオリティーが高くて、テンポも良くて。とても見やすくて楽しめました。当たり前なんですけど、自分の出てくるシーンが前もって分かるじゃないですか。『この次に僕が出てくるんだ!』と思うと緊張して、逆にニヤニヤしちゃって。そのニヤニヤを誰にも見られたくないから、椅子に隠れて見ました(笑)。

正直、反省点もあったんですけど、この作品を通して、いろんなことを学ばせていただきましたし、役を通して違う人の人生を歩むって面白いなと。みんなが同じ方向を向いて作品を作る楽しさも知って、またチャンスがあれば映画に出てみたいです」

【後編はこちら】映画初出演・しみけんの波乱な人生「僕を助けてくれた業界、死ぬまで男優を貫きたい」
AUTHOR

猪口 貴裕


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