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UPDATE|2023/06/13

桜井日奈子が振り返る“岡山の奇跡”が女優になるまで「厳しいマネージャーさんに救われた」

桜井日奈子 撮影/武田敏将


──桜井さんは恵麻のどういうところに共感しましたか。

桜井 前半に「自分の足で立って生きていける人になりたい」というセリフが出てくるんですけど、不安でどうしていいか分からないながらも、その言葉が恵麻を突き動かしていたと思うんです。私も何も持ってない状態から、何かになりたいという思いだけで、この業界に飛び込んだから一緒だなって感じましたし、デビュー当時の私と重なったところもありました。

──恵麻は、「魔女さん」と呼ばれる香水商・白石弥生に導かれて、未来を切り開いていきますが、桜井さん自身、過去に魔女さんのような存在はいましたか?

桜井 デビュー当時のマネージャーさんですね。10代で社会経験がない私に対して、業界でどうやってやっていけばいいのかを教えてくださって、厳しい言葉をたくさん言ってくださいました。オブラートに包まずに、ストレートに言うタイプのマネージャーさんだったので、たまに辛い時もありましたけど(笑)。そのマネージャーさんがついていなかったら今の私は確実にないから、自分を導いてくれる人が身近にいると強いなって、この作品を通して改めて思いました。

──厳しい言葉を素直に受け止めていたんですか?

桜井 言われた時は「キーッ!」ってなっても、後で考えるとその通りなんですよ。言葉がストレート過ぎて、耐え切れなくなって、ひたすら泣くんですけど、落ち着いて考えると、ちゃんと理解できるんです。理不尽なことを言われている訳ではないから、乗り越えられるんですよね。母のようなマネージャーさんで特別な存在でした。

──そういう人と巡り合うにはどうすればいいと思いますか?

桜井 自分の足を引っ張る人とか、高め合えない人の側にはいるべきじゃないから、環境を変えるというのが大切なのかな。結局、誰かのせいにはできないし、自分で何がいいのかを判断していかないといけないじゃないですか。そのマネージャーさんが私についていてくださっていた時は、任せっきりだった面があるんですけど、担当が変わる時に、教えてもらったことを忘れないように、ちゃんとしなきゃと。ずっと私のことを見てくれているはずだから一人でも頑張らなきゃって、より責任を感じるようになりました。

【後編】桜井日奈子、共演して実感した黒木瞳の凄み「母性みたいなものを現場で感じるんです」

▽『魔女の香水』
6 月 16 日(金) TOHO シネマズ 日比谷 他
全国ロードショー
配給:アークエンタテインメント
AUTHOR

猪口 貴裕

CREDIT

ヘアメイク/サカノマリエ、スタイリスト/阿井真理


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