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UPDATE|2019/03/19

井上咲楽が下村博文衆議院議員に聞く「憲法改正ってホントにできるんですか?」

下村博文 井上咲楽



井上 私が政治に関心を持ったのは最近なのですが、総裁選の演説を取材していて安倍さんの憲法改正への思いの強さ、熱量を感じました。でも、この間の臨時国会でも議論は進まず、本当にやるのかな……と思えてきてしまって。下村さんが務めている「党憲法改正推進本部長」というのは、どんな役割なんですか?

下村 まず、日本は法治国家ですよね。身近なところで言えば、みんなが信号や交通標識を守ることで事故を防ぐことができます。法治国家では、世の中のルールを法律に定めることで生活を円滑にしていくわけです。そして、その法律の大もとにあるのが憲法なんですね。この国のあるべき形、理想を書き込むことによって、そういう方向を目指していこうという旗印になるわけです。

井上 はい。

下村 今、世界には憲法のある国が196カ国あります。そのなかで日本は、日本国憲法ができてから73年、一度も改正や修正をしていない国なんですね。実はこれ、世界的に見たら極めてめずらしい現象で。

井上 そうなんですか?

下村 例えば、第二次大戦後に最も多く憲法を改正や修正をしている国はインドで、100回やっています。

井上 えっ、100回も!?

下村 ドイツは60回、フランスは27回、アメリカも20回。196カ国の国のうち、ほとんどが時代に合わせて憲法を改正、修正しながらより良い国を目指しているわけです。ところが、日本は一度も改正や修正をしていないから、国民的な感覚で言うと、「憲法改正」と聞くと別世界の出来事のように感じてしまう。

井上 確かに、腫れ物に触るイメージというか、憲法改正アレルギーみたいなところがありますよね。

下村 だけど、70年以上前の日本と今の状況は変わっていますよね。そこで、より良い国を目指して、より良い憲法改正を進めていきましょう、と自民党は「改憲4項目」を公表しています。その意図を国民の皆さんに伝え、改正への機運を高めていくこと。それが党憲法改正推進本部長の役割ですね。

井上 「9条の改正」「緊急事態条項の追加」「教育の充実(無償化)」「参院選合区の解消」の4項目ですね。このなかでは9条に自衛隊を明記することに注目が集まりがちですが、私は緊急事態条項や教育、合区のような私たちの生活に直結する部分を議論してもよいのかなと思っていて。だけど、野党の議員さんからは「安倍政権下ではやりたくない」という声も聞こえてきます。

下村 総理大臣が誰であろうと「法律は法律だから」とルールに則っていくのが法治主義です。日本は法治主義の国だから、「安倍政権だから」という理由で議論しないのではなく、より良いものを目指して憲法議論を国会でするべきだと思っています。やっぱり国会で憲法議論をすることによって報道もされ、国民の皆さんが「憲法改正にはこういう意義や方法があるのか」と身近なものとして捉え、考え、議論するきっかけになると思いますから。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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